明石 智彰
Tomoaki Akashi
- 主な担当講座
- 論述世界史
皆さん、こんにちは。研伸館世界史科の明石です。研伸館川西校では毎週火曜日の3限(7:35~9:30)に、研伸館三田校では毎週木曜日の2限(5:00~6:55)に論述世界史を担当しています。
今回は、世界史論述の学習の指針となるように、高校2年生の冬期以降の「論述世界史の学習をどのように進めていけばよいか。」について、その時々の学習目標を提示します。おまけとして、マル秘論述テクニックもご紹介しますよ!こうご期待。
そもそも「論述世界史」というのは、ごく一部の私立大学を除けば、ほとんどが国公立大学の二次試験で出題される問題形式です。代表的なところを上げると、東京大学・京都大学・大阪大学(文学部と外国語学部)・一橋大学・筑波大学などなど、まだまだたくさんありますが、比較的上位校に集中しています。字数もまちまちで、60字程度の出題もあれば、400字以上という出題もありますが、およそ100~300字が主流と考えていいでしょう。この論述世界史の出題に関して、過去40年分の入試問題を分析してみて、私は個人的に以下の3つの特徴があるのでないかと考えました。
1.出題者は解答を作成してから問題を作成している!?
2.各世界史分野で出題されるテーマは決まっている!?
3.字数は多い方が書きやすい!?
まず1ですが、数学の入試問題の作り方だと、まず問題を作成して、その問題に本当に解があるかどうか?また簡単に解答をだせたりしないかなどを検討しますが、どうやら論述世界史では、まず「あるテーマについての論理的な歴史文章」があり、この文章を受験生が解答として書くためには、どうのような問題文を提示すればよいか?という観点で、問題作成が行われているように思えます(あくまで個人的見解ですよ)。その根拠として論述世界史の問題文というのは、具体的な条件の提示が多く、指定語句のある場合もあります。ということは裏を返せば、慎重に問題文を読めば、自ずと出題者の意図も見えてくるので、解答文も作成しやすくなります。特に指定語句はただ文章中に使用すればいいというものではなく、使い方を間違えれば減点対象にもなりかねません。指定語句が与えられた問題では、慎重に「語句の分析」をしなくてはいけません。
2については、ひとつの大学の過去問だけを解いていては、とても理解しにくいことですが、過去の論述問題をほとんど解いてみると一目瞭然です。同じような、どこかで見たような問題というのが、あちこちに見られます。一見すると全く別の問題のように思えるものでも、解答文はほとんど同じようなものが多くあります。つまりアプローチ(出題者)が違うだけで、世界史の各分野では論述テーマとなるものは限られているのです。だから多少の条件は違っていても、そのパターンをしっかり習得していれば、白紙解答になることはまずないでしょう。ちなみに、私が考える「分野ごとのテーマ」の総数(総パターン数)はおよそ130~150程度です。
「えー!150パターンもあるの!!」という受験生の声が聞こえてきそうですが、この数はあくまで全大学の過去問から推測した数字です。例えば特定の大学に絞れば、出題されないテーマもあるので、実際には80~100程度を習得していれば万全でしょう。それでも多い数字ですね。だからこそ、高校2年生の冬期が重要になってきます。
【論述世界史の学習は高2の冬期でスタートしよう!】
多くの受験生は高校1年生や2年生で世界史を学習し始めています。先ほど述べたように、論述世界史の問題は、分野ごとに出題テーマがほぼ決まっているので、高校2年生でも既習分野であれば、十分にチャレンジできます。研伸館では高2の冬期講習で『高2論述世界史』を開講し、古代史を中心とした論述世界史に取り組んでいるのは、こうした理由からです。難関大学攻略の最善手は先手必勝が鍵となります!
【高3の春~1学期中は、ひたすらパターンの習得に専念せよ!】
しかし受験生がすべて高2から始めているとは限りません。大きく出遅れて高3の春から始めたという受験生には研伸館の『東大京大論述世界史』の受講をおすすめします。「なんだ!講座の宣伝か!?」という声が聞こえてきそうですが、この講座を受講する一番の特典は、過去数十年分の過去問から厳選した論述テーマの問題とその詳しい解答解説がぎっしり詰まったテキストがもらえるということです。このテキストで、夏期までは、各分野のテーマをどんどん学習しましょう。教科書や用語集を見ながらでよいので、まずは問題にチャレンジして、解答解説をしっかりと理解することに努めます。
ここで 3.字数が多い方が書きやすい!? の説明をしながら、論述の基本的な書き方をレッスンしましょう。受験生の皆さんは100字の論述よりも300字の論述の方が難しいと考える人がおそらく大半でしょう。しかしこれは全くの逆です。こう考えて下さい。「あの事件を一文字で表しなさい。」というのと、「あの事件について、知っていることを全て書きなさい。」というのであれば、どちらが書きやすいですか?もし正解があるとしたら、一文字で表す問題は0点か満点のどちらかしかありませんが、字数が多ければ多いほど、部分点を獲得できることになります。世界史の知識がまだ身についていない時期は、字数が多いと書くことが無くなってしまうと恐れがちですが、やがて知識の定着と共に、一つのテーマで書くことが多くありすぎて、取捨選択に困ることになるでしょう。逆に少ない文字数の問題はポイントをはずすと点数が全くない場合もあります。100字前後の論述が難しいと感じるようになったら、一人前の受験生です。
論述世界史の初心者向けのアドバイスを一つ教えます。『初心者は字数にとらわれずに書こう!取捨選択はその後。』この心がけで解答を作成してください。初めから200字を目標に解答を作成するのでなく、字数を無視して、解答を作成します。そして最終段階として問題の字数になるように、文章を削っていきます。このときに削った部分がわかるようにしておくと、なおいいでしょう。後で解答例と照らし合わせたときに、自分の取捨選択が問題文を的確に捉えているかが、はっきりとわかります。
【高3の夏期は復習と予習!】
目安は夏期までに19世紀までの世界史分野の一通りのパターンを学習し、夏期は再度、前期の総復習として今度は何も見ずに、タイムを計りつつ自分の言葉で解答文を作る練習をします。このとき一番大事なのは自分の解答を世界史講師に必ず添削してもらうことです。この添削を受けることで、知識の確実な定着と文章作成の能力が飛躍的にアップしていきます。
さらに夏期の後半は20世紀の現代史を予習しておきます。論述問題に取り組む必要はまだありませんが、冷戦終結までの欧米史やアジア史は教科書で読んで理解しておく必要はあります。
【高3の秋はひたすら近現代史に取り組もう!】
わずか1~2世紀と侮るなかれ、史料が詳細に残っている時代は論述も細部まで追求してくる問題が多くなります。また近現代史は世界が一体化し、国や地域に限定しない国際社会をテーマにした問題もあるので、一つ一つのテーマをしっかりと学習していきましょう。
【高3の冬期以降は志望大学の過去問にチャレンジ!】
手に入るだけの過去問にチャレンジしていきましょう。もちろん制限時間内に解答作成ができるようにしなくてはいけません。
【最後に】
“強者は一日にしてならず”長年にわたって、東大京大論述世界史を指導してきて、私の経験から得た言葉はまさにこの一言です。上位の国公立大学に合格していく受験生の大半は特別な存在ではありませんでした。ごく平凡な受験生達です。ただ一つだけ違うことがありました。彼らは一様に自分に厳しく、最後まであきらめないということです。膨大な量の学習も少しずつ処理していけば、いつかは達成する。こんな単純なことを彼らは素直に受け入れ、毎日コツコツとその歩みをゴールまで続けていきました。強者だから合格したのでなく、合格したからこそ、人は彼らを強者と呼ぶのです。あなたにもその資格はきっとあるはず・・・。