東京大学 文科III類 2012年現役合格

R.K.さん

R.K.さん

出身高校
私立神戸女学院高校
進学大学
東京大学 文科III類(現在は工学部都市工学科)

Q1. 大学の講義について教えてください。

  <2年次の時間割>

大学の時間割
―――
1限 構造の力学 ――― 都市計画概論
2限 比較文化論演習 ――― 建築計画第一
3限 地球環境工学 スペイン語 環境水質科学
4限 都市工学数理 ――― 都市建築史
5限 ――― ――― ―――
6限 ――― ――― ―――
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1限 環境工学概論 都市交通論 ―――
2限 食の安全と科学 人口と食糧 ―――
3限 都市工学設計製図 都市環境概論 ―――
4限 ――― 都市工学設計製図 ―――
5限 ――― ――― ―――
6限 ――― ――― ―――

月曜日の過ごし方:―――

火曜日の過ごし方:ふらふら散歩に行く

水曜日の過ごし方:―――

木曜日の過ごし方:―――

金曜日の過ごし方:バンド練か飲み会

バイト・サークルの性質上、活動日が曜日固定になっていません。放課後は、友達と遊ぶか、サークルのミーティングをしているか、東京をうろうろするかしていました。課題の提出直前は昼夜問わずずーっと大学にいました。。

講座PickUp!

ブランドデザインスタジオ

大手広告代理店である博報堂と東京大学がコラボしているゼミ形式の授業です。

グループで、リブランディング(あるモノに対して新たな魅力を見出し、価値づけること)、それを具体的なアイデアにして、最終的にエラい人の前でプレゼンを行うという授業。毎学期毎にテーマが変わり、私の取った時(2年生夏学期)のテーマは、「東京タワーをリブランディングする」でした。

魅力は、社会人の方と一緒にプロジェクトを進める仕組みになっていること。現場でリブランディングをされている方の意見を聞けること。「serious fun」を掲げている事もあって、一人一人の熱意が半端ないこと(それ故に意見のぶつかり合いが凄まじく泣き出す人もいるほど)。だからこそ、履修者同士の仲が深まること……。総合して、大学の授業という枠組みでは滅多にない経験ばかりできる、刺激的な授業です。

この授業を通じて、自分の至らなさ、論理の構成力、人と共に考えた方が面白いアイデアが生まれること、伝える力の大切さなど沢山の事を学びました。それに、「デザイン」をする基礎的な体力がついたという点で、専攻での学びに直接結びついたと言えます。ハードですが、間違いなく成長を感じられる授業です。

都市工学設計製図

都市計画コースの必修なので、専門が決まった2年生冬から4年生夏まであります。時期によって課題は様々ですが、初っ端の「集合住宅と広場の設計」のインパクトは大でした。

初めての図面、初めての模型……。慣れない事だらけで、家に帰れない日が続きましたが(人生で初めて学校で4徹しました)、与えられた敷地を読み解いた結果の設計アイデアを形にして人に伝えるために、何度もスタディを繰り返し先生との対話を重ねました。ジュリー(発表)が終わったとき、達成感よりも悔しさが残った、初めての経験でした。次はもっとこうしたい、ここが出来なかった、足りなかった、色んな想いが残って、次の課題の原動力となる……これが卒業まで続けばいいなと思います。短いスパンで、授業でやったことを活かして、何かを作り上げる機会はそうそうないと思います。工学部に入って良かったなあと感じられた授業です。具体的には、有名集合住宅の分析、集合住宅と広場の設計、23区をGISを用いて分析、大規模集合住宅設計、市町村の都市計画事業などなど……。年によってテーマも変わるらしいです。

Q2. 思い出の単位について

進学振り分け制度で都市工学科に行きたい!と決めた2年生の夏は、成績を上げるために必死でした。単位を取る、ではなく、良い成績を修める努力の方が大変に決まってます。しかも(当たり前なんですけど)東大生の中で上位一割に食い込むのって、下の下の下の成績で入学した私には結構大変なことでした。

メディア論の授業では、毎回鬼の形相でノートを取り、担当の先生の著書を片っ端から読み、試験前に「用語集」みたいなのをまとめたり……得意としていた形而上的な話が多かったのが唯一の救いでした。

生命科学の授業は、一度も出席しなかったにも関わらず、レジュメと教科書と、コネを駆使して入手した有志の方が作ったまとめプリント(=シケプリ)をひたすら読み込みました。

徹夜したかどうかすら覚えていません。これでどちらも80点だったら都市工学科に行けない!行けなかったら……もう一年頑張ろう!という思いでした。

結果としてどちらも100点に近い評価を得る事が出来ました、が、それでも高校三年生の時の方が勉強していたように思います……。試験勉強という点で、あの時以上に努力する日が来るのかどうか……。みなさん頑張ってください……。

Q3. 身の周りにいるすごい人物を教えてください。

頭の回転が速い、知識が豊富、要領がいい、飲み込みが早い……。帰国子女、オリンピック経験者なんでザラ、ここまでくると何を持って凄いとしてよいのかわかりません。みんなすごいです、私の人生5周くらい周回遅れだなと思います(笑)。

変な人方面だと、馬に打ち込んでそのまま大学に来なくなってしまった人、麻雀のプロ、筋トレマニア(もちろんめっちゃマッチョです)とか……、ですかね。

Q4. 学食の好きなメニュー上位3つ

1位:赤門ラーメン(本郷キャンパスの中央食堂だけでやっているようです)

コスパ最高。クセになる味。粉末の赤唐辛子をたっぷりかけてどうぞ!!

Q5. 今の大学に入って一番良かったと感じることは何ですか?

進学振り分け。この制度がなければ、大学に入ってからの理転はおろか、今頃大学生になっていたかすら怪しいくらいです。「まだ学部を決めないで済む!」という受験生時のモチベーション、「やっと、自分に合っていて、本気で勉強したい事が出来た!」という大学生になってからのモチベーションを支えてくれたシステムです。

あとは、周りに尊敬出来る人がたくさんいる事。

Q6. これからあなたの歩んでいく道はどのようなものになっていきそうですか?また、周りの友達の進路はどういった方面が多いですか?

4年で大学を出て、就職するか、大学院にいくかまだ迷っています。でも、何らかの形で街づくり・場づくりには携わりたいと思っています。前期に出来た友達は民間就職が多いようですが、文一は公務員か法曹志望がほとんどです。学科の友人も、私と同じような感じです。理系ですが、院進が当たり前という空気ではないです。

Q7. 大学生活で打ち込んでいることを教えてください。

打ち込んでいるものの一つに、フリーペーパー作りがあります。東大の女子学生が中心になって、学内の女子に向けてキャリアの情報や気になる話題を提供しています。「読んでよかった」「おもしろい」と思ってもらえるようなコンテンツを考えるのはもちろん、文章の表現とか、取材とか、時には発行を助けていただくために色んな企業にお願いをしたり、デザインをやったり……。あれこれ試行錯誤して出来上がった冊子を手にした時の喜びはひとしおです。

フリーペーパー

Q8. 自分の大学を目指している高校生へのメッセージをお願いします。

東京大学を目指している受験生へ。東大はすっごく面白いところです。学びを深められるのはもちろん、優秀で・多様で・個性豊かな人たちに囲まれて人間的にも成長出来るところです。(……正直「東大」というだけで、思わぬ人に出会えることも多々あります。)社会に出るまでのモラトリアムにおいて、ただただ無為に過ごすことを許さない「東京」という世界的に見ても極めて特殊で刺激的なフィールドにいて、「お前は本当にこれを学びたいんだな?こんな人生を送りたいのだな?」と問うてくる進学振り分けを経験すれば、旅になんか出なくても「自分探し」が出来ちゃうわけです。こんな大学、日本には東京大学しかないです。最高峰であると同時に、何にも代え難い良いところを持っていると思います。だから、受験勉強は通過点に過ぎないのだという思いで楽しんでください! 楽しくないと、やってらんないですから。

「東大なんて今の自分には到底手が届かない。」そう思って東大を目指すことを諦める人は多いと思います。最初から志望校の候補にも入れない人もいると思います。実際、私もそうでした。素行も成績もよくありませんでしたから。でも、どんな難易度の大学であれ、「方向性が狂っていない猪突猛進」であれば、合格できると思っています。迷っている人には一度全ての先入観、想い、しがらみを取っ払って、考えてみてほしいなあと思っています。ちなみに、東大は「迷っている人」に最適な大学です(笑)。 この文章で、少しでも東京大学に興味を持ってくれる人がいれば、幸いです。