奈良県立医科大学 医学部 医学科 現役合格

志望校・志望学部を決めた理由、時期

高2の夏頃、人を治すことで世の中の役に立ちたいと考えるようになり、人を治せるのは医師だけだと思ったので、医学部を目指し始めました。

出願した大学と学部学科

前期:名古屋大学 工学部(受験せず)

後期:出願せず

私大・AO・推薦入試:奈良県立医科大学 医学部 医学科 推薦選抜試験(緊急医師確保枠)(合格)

センター試験の得点

英語 リスニング 数IA 数IIB 国語 世界史B
176 /200 36 /50 76 /100 88 /100 121 /200 76 /100
物理I 化学I 生物I 総合点数 換算得点率
88 /100 78 /100 88 /100 827 /1050 78.8%

奈良県立医科大学 推薦選抜試験(緊急医師確保) 二次試験の得点

小論文 面接 ――― 二次合計 二次+センター
132 /180 77 /100 ――― 209 /280 942.3 /1180

※二次+センター合計 医学部 【合格最高点】1010.9点 【合格者平均点】941.9点 
【合格最低点】877.4点

 センター試験の換算点900点と二次試験の合計点280点で合わせて1180点になります。

英語の学習法

英語は高2から塾に行きだしたこともあり、比較的得意だったので、他の科目より勉強時間は圧倒的に少ないものでした。私は週一回「私塾」という塾に通っており、高2では先生と一緒に長文を読み、高3ではほとんど長文演習をやっていました。英単語は『速読英単語』(Z会出版)のテストが毎週あり、それを覚えていました。ただ、数学や理科に時間を取られ、気付けば英語の勉強をあまりせずに高3の夏休みが終わっていました。いくら夏期講習で英語をやったといっても勉強量が少なすぎたと今さらながら後悔しています。サボってきた分、当然単語力もないので、文構造は取れても単語がわからないから訳せないことが多々ありました。「単語だけでもやっておけばよかった」、「寝る前のちょっとの時間でできるのに」、とこれまた後悔。

9月からは塾の復習や学校の英語もやるようになりましたが、英語に関しては気分がのらず、そのままセンターの勉強に11月後半頃に切り替えました。センター英語は本番まで過去問を毎日1回分ずつ解いていきました。

語彙力は付ければ付けるほど良いので、英単語の暗記はきちんとやった方が長文読解力も早く伸びると思います。

センター後は、大阪市立大学医学部を目指していたので、奈良県立医科大学の過去問は一切解きませんでした。

役に立った英語の参考書・問題集

◆『システム英単語 vol.2』(駿台文庫)

寝る前に見たものを、朝の電車で見るのが一番効率の良い覚え方。

数学の学習法

高1、高2の夏までは学校の勉強だけをやっていましたが(特に自分で問題集を買ってやるといったことはせず、学校の先生のプリントや、学校で『4STEP』(数研出版)が宿題で出ていたのでそれを解いて間違った問題のやり直しまできちんとやっていました)、高2の夏休みからは『青チャート』のI・Aをやり始め、基礎はおさえておこうと思いました。毎日例題4つずつ解いていっていましたが、正直この時期の受験への意識は低かったので、しょっちゅうやらない日もありました。かけていた時間に関しては、その問題が理解できるまでやっていたので1時間で終わるときもあれば3時間かかるときもありました。

高2の1月になってからは『青チャート』のII・Bもやり始めましたが、後悔が残るのは高2の間に終われなかったことです。基礎をおさえるだけなら例題だけで十分です。そして、高3からは研伸館の高木先生の「京大阪大理系数学」を受講し始め、この授業の予復習と学校でやっていた『スタンダード数学演習IAIIB』(数研出版)の予復習を1学期までやりました。この問題集は1問1問時間がかかるので毎日2時間ほどコツコツやりました。「京大阪大理系数学」に関しては、正直、前期のテキストの予習はやっても意味があるのか疑問になるぐらい解けませんでした。なので予習より復習に力を注ぎました。復習は、まず授業ノートを見て理解しながら解き、あとで何も見ずに解いてみるという方法でやっていました。かなり難しいので時間は相当かかっていたと思います。高木先生は、この場合はこう、この場合はこう、と系統立てて教えてくださったので問題に対処しやすくなりました。

1学期末考査が終わってから7月の終わりまではセンターが心配だったのでセンターの勉強をやり、8月からは研伸館の夏期講習の予習・復習と、学校で9月からやり始める予定の『オリジナルスタンダード数学演習IIIC』(数研出版)をやり始めました(学校では、1回の授業で結構進むので授業の前日はほとんどこの問題集に時間を割いていました)。9月から、11月にセンターの勉強をやり始めるまでは研伸館の「京大阪大理系数学」の演習問題と『オリジナルスタンダード数学演習IIIC』だけやっていました。『青チャート』のIII・Cをやっておけば良かったなという後悔も残りました。

役に立った数学の参考書・問題集

◆研伸館の「京大阪大理系数学」の演習問題

復習は1回だけでなく、2~3回やってもプラスになる。

◆『青チャート』(数研出版)

数学は暗記が大部分を占めるので、重要例題は覚えていくべき。

国語の学習法

国語は苦手意識No.1でした。高1、高2の時は学校のこと以外まったく勉強せず、逃げていました。高3からは研伸館の中村祐介先生と梶並先生の「センター国語」をとってセンター対策を始めました。古文・漢文は句形などを覚えるうちにだんだんマシになってきましたが、現代文は思うように伸びず、伸びないまま本番の日が来てしまい、撃沈。自信のあった古文・漢文も難化していたので撃沈。ひどかったです。

現代文は数をこなすだけでは伸びません。最初のうちは一問に時間をかけて、自分でその記号を選んだ根拠をはっきりさせるというやり方が一番良い方法だと思います。私は「センター国語」の予習のとき、この読み方ができていなかったのだと思います。本番は15分ぐらいで解かなければなりませんが、1問に1時間かけて読んでも力はつくと思います。

正直現代文はしっかり予復習できていませんでした。理想は1問1問自分なりに根拠立てて答えを導き出して、授業で答え合わせすることです。古文漢文は何よりもまず単語と文法を完璧にすることです。理系の人なら国語はセンターだけだと侮りがちですが、それではセンターで痛い目にあうのでやめたほうが絶対いいです。また、国語はすぐに成績が伸びるものではないので結構早めに始めておきましょう。

研伸館では、国語は才能とかではなく、論理的に解けるということを教えてもらったことが良かったです。

役に立った国語の参考書・問題集

◆研伸館の「センター国語」のテキスト

国語に復習なんているのかと思う人が多いかもしれませんが、研伸館の先生は授業で根拠の見つけ方を教えてくれるので、復習の意味は大アリです。

理科の学習法

物理

高3のはじめから『物理I・II重要問題集』をやり始めました。夏休みまでに力学をやって、夏休みに電磁気を仕上げました。やり直しは何章か終わるたびに、こまめにやりました。力学は今までずっとやっていたのですんなりいけましたが、電磁気は基本すら微妙な感じで、『物理Ⅰ・Ⅱ重要問題集』の電磁気は苦労しました。現役生は電磁気が弱いから浪人生と差がつくと先生が言っていたので夏休みは電磁気を重点的にやりました。そして9月からは『名問の森』(河合出版)をやって、物理の学力を総合的に上げました。『名問の森』は、『物理I・II重要問題集』ほど量は多くないので1日5問ペースですぐ終わりました。

化学

化学も物理と同様、高3のはじめから『化学I・II重要問題集』をやり始めました。私は理論化学を重点的に先にやっていましたが、無機・有機を先にやっておいた方が模試でも点が取れたのではないかと思います。無機・有機は覚えているだけで点が取れる問題が多いからです。『化学I・II重要問題集』は夏休みには終わらせて(範囲によりますが夏休みに1日10問以上はやっていました。もちろんやり直しもきちんとやりました)、9月からは『化学I・IIの新演習』(三省堂)を1日5問ペースでやりましたが、有機がかなり多いのですべては終わりませんでした。ただ、良問がそろっているので、やっておくべきだと思います。『化学I・IIの新演習』を解いていてあまりできなかった範囲は『化学I・II重要問題集』でその範囲をもう一度やりました。大切なことは両方の問題集もこまめにやり直しをすることです。私の場合は3単元ほど進めばやり直ししていました。

生物

奈良県立医科大学はセンターで理科3科目必要なので、生物Iもやらなくてはなりませんでしたが、10月まで学校の補習を受けるだけで放置状態でした。10月以降に知識を詰め込んで何とか間に合いましたが、もう少し早くからやっていれば良かったなと後悔しています。マーク模試の生物は30~50点ばかりでした。

役に立った理科の参考書・問題集

◆『物理I・II重要問題集』(数研出版)

出ている問題は完璧に解けるようになるまでやりこむべき。1学期からやりはじめて、夏休みまではダラダラやっていた感じでしたが、夏休みは1日10問ペースでやっていました。毎回、5時間ほどかかっていたと思います。『物理I・II重要問題集』をやっていると早く1周したいという思いに駆られて、つい、間違った問題のやり直しが疎かになってしまいますが、焦らずにやり直しはこまめにやりましょう。やり直しをしないと力はつきません。

◆『化学I・II重要問題集』(数研出版)

出ている問題は完璧に解けるようになるまでやりこむべき。

◆『生物Iの点数が面白いほどとれる本』(中経出版)

知識を蓄えるのはこの1冊で十分。

社会の学習法

センター世界史

私は世界史選択でした。しかし、学校の先生には倫理などの方が勉強量が少なくてすむということで科目の変更を勧められたこともありました。でも、私は世界史に興味があり、他は興味がなかったので世界史のままいきました。社会は勉強量で選ばず、興味の有無で選んで正解でした。受験勉強で唯一、世界史は勉強していて楽しく感じました。友達と世界史トークで盛り上がれる上に、話しているうちに覚えられるので、覚える量は多いですが、楽でした。

覚える量はかなり多いので早い時期からやっておいた方が良いです。私の場合は世界史が好きだったので高2から真剣にやっていました。センター直前は過去問ばかり解いて、過去問の答えを見て覚えていない所を紙に書いて覚えました。

役に立った社会の参考書・問題集

◆『センター試験への道』(山川出版社)

覚えたことを、実際問題を解いてさらに定着させるのには最適。

科目別学力自己評価

科目別学力自己評価

センター試験から推薦入試までの各科目の勉強の比重

センター試験から推薦入試までの各科目の勉強の比重

センター対策の方法

※切り替えはすべて11月後半

英語

過去問と、『大学入試センター試験実戦問題集 英語』(駿台文庫)

数学

『2010マーク式総合問題集 数学I・A』(河合出版)、『2010マーク式総合問題集 数学II・B』(河合出版)

国語

過去問と、『大学入試センター試験実戦問題集 国語』(駿台文庫)

理科

物理・化学は過去問のみ、生物は過去問と、『大学入試センター試験実戦問題集 生物』(駿台文庫)

社会

過去問(過去の解答を書いて覚えた)

センター試験後から推薦入試までの勉強の仕方

「こんなセンターの点数じゃ推薦では受からんのやろなぁ」と思っていたので、センター直後は二次試験の勉強ばかりしていましたが、「受けるからにはちゃんとやろ」と思うようになり、二次と推薦を6:4ぐらいで勉強し始めました。推薦の勉強は、まず『医学部の小論文』(教学社)と『医学部の面接』(教学社)という赤い本を買って医学の知識や面接のことなど詰め込みました。そして、2月からは奈良県立医科大学後期の小論文を1日1年分(最終的には赤本に載っている小論文はすべてやりました)と、学校で面接の練習をしてもらいました。志望理由は絶対聞かれるので覚えておいた方がいいですが、あまりすらすら言い過ぎると印象が悪くなるかもしれません。私の場合は緊張して覚えていたものが全部飛んでしまったので、その場で頑張りました。黙ってしまうのが一番ダメですが、何か言えば次々浮かんでくるかもしれません。小論文は日頃から医療のこと(例えば臓器移植、代理出産のことなど)を考えていなければ、すぐに書けと言われても無理だと思うので、新聞やニュースには普段から目を通しておきましょう。

受験会場の雰囲気

試験会場に入るまでの待合室では学校ごとに集まって話していた。昼休み、昼食が終わった後は静かでピリピリしていた。

奈良県立医科大学 推薦入試 現役合格への秘訣!

小論文、面接の練習はセンターが終わってからで十分間に合うので、センターが終わるまではセンターの勉強に集中すべきです。センターの配点がかなり多いので、センターでガッツリ取れれば、小論文や面接で大きなミスがないかぎり合格できると思います。あとは「絶対受かったる!」という気持ちだけです。

入試面接の状況(奈良県立医科大学 医学部医学科 推薦入試)

◆面接の方法

グループ面接 面接官3人VS受験者3人

◆面接時間

10分

◆面接会場の略図

面接会場の略図

◆質問内容と回答

1.奈良県立医科大学の志望理由は?

――生まれてからずっと住んでいて愛着のある奈良が抱える医療問題の解決に貢献したいと思い、そのことが自分にとってやりがいのある仕事だと感じたからです。

2.公的病院における医師不足への対処法について

――医学部の定員を増やすことが重要ですが、ただ増やすだけでは医師一人一人のレベルが落ちてしまうので、医師を育てる大学での教育にもさらに力を注いでいくべきだと思います。

3.夫婦別姓に賛成or反対?

――私は反対です。夫婦が別姓だと、子供の姓にも問題が生じてくるし、家族の一体感もなくなり、そのせいで離婚も多くなる可能性があると感じたからです。

試験について

1.小論文

◆テーマ

1.(1)弱気な末期患者に対して医師が「もっとがんばりましょう」と言うと、その患者は何も言えなくなり、やるせなくなった。この理由は?(100字)

 (2)もしあなたがこの患者の主治医ならどう対応しますか?(400字)

2.World Diabetes Dayにちなんだイベントを開催する場合、あなたの企画は?(400字)

◆私の論旨

1.(1)患者は今までのがんばりを否定されたように感じたから。

 (2)患者とコミュニケーションをとり、何でも話せる信頼関係を築く。

2.糖尿病患者と健康な人が触れ合う。

2.その他

◆テストの感想

志望理由はある程度覚えていましたが、本番は緊張で全部とんでしまいました。あと、周りの人間全員が自分より賢く見えました。

◆事前の対策

医療に関する知識がゼロに等しかったのでセンターが終わってから小論文・面接の参考書を読んで知識を詰め込みました。

◆推薦入試に大事なこと

医療に関する質問だけではない場合が多いので、日ごろから他のニュースにも目を通しておくことです。

◆後輩へのアドバイス

こんなセンターの点数で受かるとは思っていませんでしたが、諦めずにきちんと対策したことが合格につながったと思います。諦めたらダメだということです。

プロフィール

◆血液型

B型

◆好きな色

青色

◆好きな歌・アーティスト

ポルノグラフィティ

◆好きな番組

お笑い番組、大河ドラマ

◆お気に入りスポット

「奈良ファミリー」の本屋

◆好きな作家・本

『容疑者Xの献身』(東野圭吾)

◆高校時代はまってしまったこと

『ONE PIECE』(マンガ)

◆受験前のリラックス方法

音楽、マンガ

◆あなたにとって受験とは

崖を登るような感じ。

◆受験勉強で一番辛かった時期

10月、11月。成績が伸びず、夏休みの成果が出ているようには感じられなかったから。

◆親や親戚に医師はいますか?

はい。

◆医療系のドラマなどは見ましたか?

「チーム・バチスタの栄光」

◆最近、気になった医療系のニュースは?

大和郡山市の山本病院の事件

◆最近、気になった医療系以外のニュースは?

ハイチの地震

◆部活動はしていましたか?

していない。

◆ボランティア活動はしましたか?

していない。

◆医師を志したきっかけは?

テレビで人の命を救っている医師を見てかっこいいな思ったから。

◆医師として20年後の将来像は?

寝る時間もあまりなく、激務に耐えている。

◆興味のある診療科は?

麻酔科

◆医師として大切なことを三つ

人が好きなこと、冷静さ、体力

◆今までで一番つらかったこと

大学受験

◆面接対策はどのようにしましたか?

『医学部の面接』と『医学部の小論文』を読んで面接に大切なことや医学の知識を蓄え、さらに学校で先生に実際に面接を何回かやってもらった。