京都大学 法学部 2009年現役合格
E.N.さん
- 出身高校
- 大教大附属天王寺高校
- 進学大学
- 京都大学 法学部
Q1. 大学の講義について教えてください。
大学の時間割 | |||
---|---|---|---|
――― | 月 | 火 | 水 |
1限 | ――― | ――― | ――― |
2限 | 民法第二部 | 憲法第二部 | ――― |
3限 | 刑法第二部 | 中国語 | 刑法第二部 |
4限 | 英語 | 政治思想史 | ――― |
5限 | ――― | ――― | ――― |
――― | 木 | 金 | 土 |
1限 | ――― | 中国語 | ――― |
2限 | 憲法第二部 | 民法第二部 | ――― |
3限 | ――― | ――― | 法律相談部 (サークル) |
4限 | ――― | 政治思想史 | 法律相談部 (サークル) |
5限 | ――― | 英語 | 法律相談部 (サークル) |
月曜日の過ごし方:結構授業が詰まってるので、4限まで出た後ちょっと休憩して図書館に行って復習をします。授業を録音したボイスレコーダーを聞いたり、復習メインです。24時間開いてる自習室があるので、0時くらいまで勉強して帰ります。
火曜日の過ごし方:授業に出た後、バイトに行きます。10時半くらいに京都に戻ってくるので、復習があまり終わっていない時は、そこから24時間自習室に行って勉強することもあります。
水曜日の過ごし方:比較的ゆっくりと過ごしています。夕方からは火曜日と同様にバイトに行って、10時半くらいに京都に戻ってきます。木曜は授業がほとんどないので、この日は2時くらいまで自習室で勉強していることが多いです。
木曜日の過ごし方:1週間の疲れがたまってきて、2限はさぼったりすることもあります。でも、この日はバイトもなく一番ゆっくり勉強できる日です。
金曜日の過ごし方:図書館が22時までしか開いていないので、5限が終わった後は友達とごはんを食べに行ったり、その後もだらだら過ごすことが多いです。パソコンでアニメを見ます。
土曜日の過ごし方:法律相談部の活動があるので、昼から学校に行っています。朝はゆっくりです。
講座PickUp!
民法第一部 担当: 佐久間先生
この民法第一部では、人と人の紛争を解決する法律の1つである民法の一番の基礎となる部分について学びます。
1つ具体例を挙げます。K先生がM先生にだまされて、自分の「体系化する世界史」を南先生に渡してしまったとします。 そして、K先生があとから「あ、俺だまされてた!ちょっとM先生、俺の教科書返してーーー><」みたいなことになるとします。 民法ではこうした「詐欺行為」によって間違ってしてしたことは「取り消す」ことができるんです。まぁ一般常識で考えたら普通にM先生が悪いですよね(笑)K先生はかわいそうです。
でも、例えばM先生がその「体系化する世界史」をすでにN先生にあげてしまっていたら、どうなるでしょう。 たしかにK先生としては「M先生との取引は詐欺だったんだから、さっきのは取消しってことで、教科書返してよ!」ってことになりますよね。
でもN先生だって、「え!前からほしかった体系化する世界史がせっかく手にはいったのに、なんでK先生に返さなきゃならないの?僕なにも悪くないやん…orz」って感じですよね!はた迷惑な話です!
「これは絶対N先生の方がかわいそう」「えーK先生の方じゃない?だまされてるし…」といった私情はおいといて、こうした人と人の利益が対立することはたくさんあります。それを法律で解明していくことが民法なのです。民法を学ぶといろいろなことがわかります。法律って知らないとこわいんだー!損しちゃうんだー!と、初めて思い知らされた授業でした。
授業は週2回で、ものすごい速さですすんでいくし復習もしなくてはどんどんわからなくなっていくのですごく大変でしたが、佐久間先生という先生がとてもいい先生で、わかりやすい授業をしてくださいました!
刑法第二部 担当: 塩見先生
犯罪を罰するときに使われるのが刑法です。よくニュースで「殺人罪」「強盗罪」「強制わいせつ罪」「窃盗罪」「住居侵入罪」など、よく聞くものもあると思います。一番イメージがつきやすい法律ですね。
ひとつ衝撃的なことを言います。「食い逃げ」は何の罪にもあたりません!食い逃げして逃げているときに暴力をふるったり、もしくははじめから「お金払わずに、清算するときに逃げてやろう!」と思っているなどの場合は別ですが(この場合は強盗罪になります)、普通にお金を払うつもりだったのにお金がなくて、仕方なく「食い逃げ」し、追いかけてくる店員に暴力などを振るわなければ、罪にならないのです。何故でしょう。それは、条文に書いてある「強盗罪」がこの食い逃げが該当しないからです。
じゃあどうやってこれらの「罪」に該当するかしないのかがわかるの?!ということになりますね。こうして、「どんな行為をすればどの罪にあたるか」を学ぶのがこの刑法第二部の勉強なのです。
Q2. 思い出の単位について
法学部の試験は、本当に辛いです。すべてが辛いです。理解すること、暗記すること1つ1つが大変で、付け焼刃的な勉強では絶対に間に合いません。法曹に進むためには、1回1回の学校の成績が大学院進学の際の点数として反映されるので、毎回の試験の結果はシビアに将来を揺るがします。すでに大学院入試が始まっているようなものと思っていただいて結構です。 法曹に進まない人も、生半可な勉強では単位すら取れません。大学生は楽だという噂をきく人もいるかもしれませんが、京大法学部においてはそれはせいぜい1回生までで、2回生になりこうして専門的な科目が始まると…地獄を見ます。大学受験の1科目分くらいを半年で無理やり詰め込んでいる気分です。辛いです。本当に辛いです。本当に…
Q3. 身の周りにいるすごい人物を教えてください。
学校の地下に、サークルのBOX(部室のようなもの)があるのですが、そこに住んでいる人がいます。部室には冷蔵庫もあるし、冷暖房も取りあえずはあります。お風呂は大学の体育館のシャワーを借りていて(←多分ダメだと思います)、部室のソファーに毛布をかけて寝ています。生活ってどこでもできるんですね。
Q4. 学食の好きなメニュー上位3つ
1位:『塩焼き豚カルビ丼』
2位:『ヨーグルトパフェ(ミニ)』
3位:『しょうゆラーメン』
Q5. 今の大学に入って一番良かったと感じることは何ですか?
なんだかんだ皆、ポテンシャルが高く、向上心があり、それに加えて努力家であるところです。自分も負けていられないなあという気分になりますし、また、よきライバルを持てたと思っています。あと、有名な教授がたくさんいることです。
Q6. これからあなたの歩んでいく道はどのようなものになっていきそうですか?また、周りの友達の進路はどういった方面が多いですか?
どんな道をすすんでいくんでしょうね…もうすぐ3回生になるのに全くわかりません。就職活動か法曹の道を目指すことになるのではないかと思います。私はまだ悩んでます。周りは法曹志望も多いですが、国I(いわゆる官僚)を目指している人もいますし、就職活動をする人もいます。法学部だからっていって、みんながみんな法曹志望というわけではないです。
Q7. 大学生活で打ち込んでいることを教えてください。
今、法律相談部というところに所属していて、毎週土曜日に京大で、一般の人向けに法律相談を行っています。まだ私は2回生までの勉強しかしていないのでわからない法律もたくさんありますが、4回生・3回生の先輩方と一緒に相談を受けています。自分たちが学んでいる法律が、実社会で本当に使うことができるものなんだと実感でき、相談に来る人の問題を解決できた時は本当に感謝していただけるので、やりがいのある活動です。もちろん、全てが全て円満に解決できるわけではなく、解決できないものもありますし、どうしようもないこともたくさんあります。自分や法律の無力さを感じることもたくさんありますが、こうしたことも法律相談部でなければ知れなかったことだったので、法律相談部に入って本当によかったと思います。
Q8. 自分の大学を目指している高校生へのメッセージをお願いします。
今はがむしゃらに頑張ってください。今は純粋に、今の時点で自分がなりたいものに向けて頑張ってください。ただ、忘れてほしくないのは(といっても、この本当の意味がわかるのは本当に大学生になってからでしょうが、)「大学受験は通過点でしかない」ということです。たしかに「どの大学に入るか」で、人生は変わります。でも、私は「大学をどう過ごすか」の方が人生を変えうるのではないかと思います。
あと、受験時代は悔いのないように頑張ってください。受験時代の出来事は、大学生になってから意外と思いだされます。「あの時頑張れたんだから、きっと頑張れる。大丈夫。」という自信にもなりえます。
頑張ってください^^応援しています。