広島大学 医学部医学科 2009年現役合格
T.H.さん
- 出身高校
- 兵庫県立神戸高校
- 進学大学
- 広島大学 医学部医学科
Q1. 大学の講義について教えてください。
<2年次の時間割(前期)>
大学の時間割 | |||
---|---|---|---|
――― | 月 | 火 | 水 |
1限 | 発生遺伝学 | 医科歯科 分子生物学 |
人体構造学 |
2限 | 組織学 | 放射線生物学 | 人体構造学 |
3限 | 組織学 | 解剖実習 | 解剖実習 |
4限 | 組織学 | 解剖実習 | 解剖実習 |
5限 | ――― | ――― | ――― |
――― | 木 | 金 | 土 |
1限 | コミュニケーション学 | 英語 | ――― |
2限 | 社会医学・ 国際協力論 |
人体構造学 | ――― |
3限 | 解剖実習 | 解剖実習 | ――― |
4限 | 解剖実習 | 解剖実習 | ――― |
5限 | ――― | ――― | ――― |
月曜日の過ごし方:解剖実習がない唯一の休息日。午後は出席もとらないし昼寝したりブラブラ~ なんてしてたらテストで大変な目に(涙)。
火曜日の過ごし方:1コマから授業、そして午後は解剖実習。遅い日は23時を過ぎることも。大体は21時ごろに終わります。
水曜日の過ごし方:火曜と同じ。でも4コマ後は解剖を友達に任せバレー部の練習に。
木曜日の過ごし方:この日も解剖を頑張ります。
金曜日の過ごし方:1週間のノルマをこなすために遅くまで解剖実習を。終わった後、グループの友達と牛丼やラーメンを食べに行くのが決まりでした。
講座PickUp!
人体構造学(解剖学) 担当: 青山先生
2年前期の主役中の主役、なんといっても解剖学です。本物のご遺体を解剖させていただきます。広島大学は1グループ3人で一体を扱わせていただきます。ゴールデンウィーク明けから、7月末までに人体をまるまる解剖します。具体的には、筋肉・臓器・神経を頭から、足の先まで見ていきます。僕も初めは抵抗がありましたが、すぐに慣れました。解剖中に休憩しようと言って生協に行き、みんなでアイスを食べて一息つくのが一日の唯一の楽しみでした。夜遅くまでかかることも多くとても大変でしたが、医学部に入ったという実感をもつことができる初めての機会でしたし、手術をしているような感覚でとても面白く、実際に自分の手で触れて目で見ることができとても勉強になりました。
コミュニケーション学 担当: 複数人の先生
色んな先生がいらして、自分の専門分野のお話をされます。神経はどうやってできて、どういう成分でできて、どういう役割があるのか。身体の免疫の仕組み、臓器のできていきかたなど、解剖と並行して勉強します。簡単に言うと解剖は見て勉強、人体構造学は講義で聞いて勉強という感じです。初めて聞くときは慣れない単語ばかりで意味不明ですが、これから先の勉強の基礎になるので頑張って聞いておくか、自分で勉強しないとかなり困ります。僕は解剖の疲れから午前に起きることができず、授業を全然聞いてなくて独学で勉強するはめになってしまったので、とても困りました。 大学の講義は授業を聞かなくても、自分で頑張ればなんとかなります。その代わりとても苦労しますが。
Q2. 思い出の単位について
時間割を見てもらえばお分かりのように、2年前期の詰まりっぷりはとてもじゃないです。なんせ4月~7月の4ヵ月弱で人体の構造を一通り全部勉強するのですから。つまりテストが並大抵のものじゃありません。先生が夏休みいっぱい勉強する余裕を下さって9月の後半にテストするということになったのですが、まぁ夏休み勉強することはなく遊んだりプチ留学したりしていて、結局9月に入ってから勉強を始めました。4ヵ月弱かかって解剖したものを1ヵ月未満で覚えなおすというのは、まぁそれは大変なことで、あの時は本当に受験期並みに勉強しました。というか受験期よりも勉強したんじゃないかと思います。午前から図書館に行って勉強して、昼はお好み焼きとかを食べて、夕方に図書館が閉まったら、みんなでファミレス行ってドリンクバーだけ頼んで深夜まで勉強する・・・みたいな。その努力は報われて単位は取れたのですが、本当にしんどい2週間でした。でも受験期に頑張った精神力がなかったら、そしてあんなに頑張って入れた学部で今勉強しているという実感があり、いま勉強していることが将来自分がなりたい職業に直結すると思えるからこそ、頑張れたんだと思います。受験生のみなさん、そして進路を迷っている人がもしこの文章を読んでいるなら、自分が入ったあとに後悔しない学部を選んでください。もちろん大学のランクも大事ですが、入った後に自分の本当に勉強したいことと違うと、後悔してしまうかもしれませんよ?
Q3. 身の周りにいるすごい人物を教えてください。
医学部に入ったら、周りはすごい人ばっかりです。先輩はどんどん研修医、お医者さんになっていかれるし、解剖の教授は人体のことを知りつくしていて、体中の神経をほとんどご存じだし、なによりすごいのはやはり同級生です。いったん社会人になってから、やっぱり医者になる夢を捨て切れず戻ってくる人もいます。そういう人はモチベーションもとても高いですし、医学部に入った同級生たちは本当に能力が高くて見習うことばっかりです。でも勉強だけしているだけじゃなくて、バイトもするし、スポーツもするし、おしゃれさんもいるし、合コンも行くし・・・(笑)。だから特定のこの人がすごい!というのは挙げにくいですね。
Q4. 学食の好きなメニュー上位3つ
1位:『とろろかけごはん』
2位:『チリマヨ唐揚げ』
3位:『カレー』
でも、広大の学食・・・というより霞キャンパスの学食はとても誇りにできるようなものではないと思います。
Q5. 今の大学に入って一番良かったと感じることは何ですか?
毎日を楽しめる大勢の同級生に出会えたこと。
Q6. これからあなたの歩んでいく道はどのようなものになっていきそうですか?また、周りの友達の進路はどういった方面が多いですか?
医者に向かってまっしぐらだと思います。 周囲の人も同じです。ただ、今からどの科に進むか決めている人はほとんどいないようですね。そういう話をすることもあまりありません。
Q7. 大学生活で打ち込んでいることを教えてください。
僕は、ふたつの活動に打ち込んでいます。ひとつはバレーボール部。サークルではなく部です。医学部は人数が他学部ほど多くないので、サークルは少ないんですよ。ただ、勉強・実習との両立も必須なので、練習は週3回です。17~21時の間に2時間程練習します。医療系の部活だけ出られる大会もたくさんあり、そこを目標にして練習します。
もうひとつはオリエンテーションキャンプスタッフという活動です。広大は入学した時に、医・歯・薬学部の新入生で一緒にキャンプに行きます。それの企画スタッフをしています。スタッフの人数は100人以上、新入生の参加者は400人以上と、とても規模の大きなキャンプで、準備も念入りに行います。とてもとても楽しい活動です。もし広大に入学する人がいたら、是非楽しみにしててください。大学生100人が全力をこめて準備したキャンプです。めっちゃくちゃ楽しいですよ!!
Q8. 自分の大学を目指している高校生へのメッセージをお願いします。
医学部に入ると、他の学部のように自分で授業を選択するとかは、教養以外ほとんどなく、決まったカリキュラムをこなしていると、いつのまにか学年が上がっていき、いつのまにか医者になっているんだと思います。だから僕がこれから医学部を目指すみなさんに知っておいてほしいことは、大学に入ったあとにいかに勉強以外に自分で自分を育てるかということです。勉強しかしていないと、金太郎あめのようになってしまいます。社会に出て、自分のストロングポイントを押し出すことができません。いかに自分を鍛えるかが大事です。留学する、本をたくさん読む、何かのサークル・活動に打ち込む、アルバイトに励む、などできることはたくさんあると思います。自分でどんどん見つけていってくださいね。大学は人間形成の場です。
そしてそこで大事なのは、自分の大学を飛び出て色んな人と交流することだと思います。大学の中にいれば医者にはなれるのですが、そのあと接する患者さんは社会そのものです。社会には様々な人がいます。大学の殻に閉じこもっていると、なにも対応できなくなってしまうと思います。僕は2回生の夏休みにツアーの留学に参加し、世界中の人と交流をしました。現代はface bookなどのインターネットがとても発達しているので、今でもその時の絆は続いています。自分にとって素晴らしい財産になりました。
大学は、自分がやりたいようにする時間は与えてくれます。チャンスも与えてくれています。ただそれをいかに活用するかは自分次第です。そして大学ごとによっても、その特色は違います。今のうちからやりたい・してみたいことを見つけ、自分のニーズに合った大学を選んでください。そうすれば自然とモチベーションも上がり、大学合格の切符も勝ち取る事ができるでしょう。僕も受験時代は相当苦しみました。みなさんも頑張ってください。