京都大学 経済学部 2009年現役合格

M.M.さん

M.M.さん

出身高校
兵庫県立西宮高校
進学大学
京都大学 経済学部

Q1. 大学の講義について教えてください。

大学の時間割
―――
1限 ――― 経済数学1
(隔週)
計量経済学
2限 ――― 経済数学1
(隔週)
ドイツ語IIB
(会話)
3限 社会経済学1 財務会計 経済英語B
4限 科学技術と
安全性
ゼミ 会計学2
5限 経済統計学 ゼミ ―――
6限 ――― ――― ―――
―――
1限 英語IIB ドイツ語IIB ―――
2限 マクロ経済学2 ――― ―――
3限 実践簿記III 派生証券論 ―――
4限 実践簿記IV ――― ―――
5限 ――― ――― ―――
6限 ――― ――― ―――

月曜日の過ごし方:経済学部はなぜか月曜日の午前中に専門の授業がほとんど開講されていません。つまり、経済学部生はみんな  空きコマなので、この時間を利用してゼミの話し合いをほぼ毎週していました。話し合いがない週もゼミ研究のための調べ物をしていました。研究が切羽詰まってくると、3限の授業、最後には4、5限も行かずにみんなで話し合いしてました(笑)。

火曜日の過ごし方:火曜日は4、5限にゼミがあり、研究の進捗状況報告があったので、経済数学のない週は朝からその準備をしたり先行研究を調べたり話し合ったり…。ゼミのための曜日って感じです(笑)。5限は一応18時までですが、ゼミが18時で終わるなんてことはまずないです!教授がとにかく喋るので…☆(笑)。19時まで延長して、そこから話し合いをするかご飯を食べに行くかして、寮に帰ったらお風呂だけ入ってすぐに寝ていました。

水曜日の過ごし方:普通に授業を受けて、普通に過ごしてました。一番普通の曜日だった気がします。水曜日は授業が終わったら実家に帰っていました。

木曜日の過ごし方:授業が一番大変な曜日でした。1限の英語は出席命。2限のマクロ経済学は珍しくきっちりかっちりした授業・期末試験をする先生。3、4限の実践簿記は大原簿記専門学校から先生が来て、11月の日商簿記2級、12月のBATIC(英文会計)subject1に合格するための授業をしてくださっていました。どちらの検定も準備期間が異常に短いため、非常識なペースでぶっ飛ばしていてかなり大変でした。放課後にはサークルがあったので、とにかく木曜日は毎週疲れていて、寮に帰ってお風呂に入ってすぐ寝ていました。

金曜日の過ごし方:1限、3限と丁寧でまじめな授業でした。金曜日の午後も経済学部の授業はそんなに多くなかったので、ゼミの話し合いに使うことが多かったです。授業後特にすることがなければ、寮でピアノをちょっと弾いてから実家に帰ってゆっくりしていました。

講座PickUp!

マクロ経済学   担当: 遊喜先生

「専門基礎科目」です。前期・後期と単位は別々に出ますが、内容は連続しているので通年で履修するのが望ましい講義です。が、担当の遊喜先生は、試験が「ガチ」なことで有名で、「何とかなるさ精神」を掲げて適当な勉強で試験を受けると容赦なく落とされます。そのため、前期に単位がもらえた人でも後期は履修登録すらしない人が多いです(笑)。いかにも京大生。でも私は先生・内容ともに好きな授業でした。内容は、前期はIS-LMモデル、後期はそれに加えてAD-AS曲線やソロー型成長モデルなどを習い、物価や利子率、賃金や労働力の変化が産出量や投資、政府支出などに与える短期的/長期的影響をグラフを使って見ていました。試験でもグラフを用いて説明しなさい、という問題にかなりの配点があります。色々と記号や式を多用するので最初は頭が混乱してばかりでしたが、自分でグラフを書いているうちに整理され、一度整理されると「あぁ、なるほど~」と綺麗に納得できて感覚的にもぴったりとハマるようになりました。それを何も見ずに人に説明するとなるとなかなか大変ですが(笑)。実生活に近いところのお話なので、経済に興味があるなら普通に「おもしろい」と感じる授業だと思います。式を多用するとは言っても、モデル中心の内容で、具体的なややこしい数値はメインにはならないので、受験生の時に数学が苦手だった人(たとえば私!)でも十分理解できます。大学に入ったら数学とは縁を切りたいと思っている人にはちょっとしんどいかもしれません。遊喜先生は、見た目はとても「小さくてかわいい」(by.一緒に授業を受けていた友達3人)のですが、試験では細かいところも聞いてきますし、授業でやった範囲を全部出すのが特徴だと思います。「ここだけやっといて当たればいいなー」とか「メインだけ押さえてたら何とかなる!」が一切通用しない稀な先生です。でも、部分点をできるだけ出そうとしてくださる先生ですし、授業も丁寧で分かりやすいので、すごくいい先生だと思います。あえて欠点を挙げるなら、時計が12時(この授業の終了時刻)を指すまでは絶対授業が終わらないことですね(笑)。11時59分の時点でキリが良いところまで進んでいたらその日の授業を終わりにするのが一般的かなと思うのですが、遊喜先生は「12時」という時間を見るまでは、話題が変わろうが章が変わろうが先に進むので、あまりに延長されるとお腹すきます(笑)。

派生証券論   担当: 江上先生

講座というより、先生が本当にいい先生です!教え方が分かりやすいし、優しい人で、みんなこの先生のことが大好きです。江上先生の授業で単位がなかった人が誰も「先生の教え方が分かりにくくて」なんて言わない、そのくらい誰もが認めるいい先生です。私はいつも友達と「江神」先生だよね、と言っています(笑)。でも、試験の採点は下駄をあまり履かせずに配点通りにきっちりつけているようなので、ちゃんと勉強しない人は「あの先生の授業は好きだから受けたいけど、適当にやると単位くれないから履修するのやめとく」って口を揃えて言いますね(笑)。授業の内容は、先渡契約やスポットレート、スワップ、デリバティブ…とニュースで聞くような単語がいっぱい出てきます。先渡契約やリスクヘッジ、二項モデル、ゼロ・クーポン債、カリブレーション…といったお話くらいまではすごく納得できておもしろいと感じるのですが、後半になってくると、ややこしすぎてなるほどと思う段階まで行けませんでした。先生が「こんな難しい話は試験に出さないよ」と言いながらの授業だったのでその点は安心でしたが。ただ、こちらはマクロと違ってある程度細かい数字を使うので、あまりがんばりたくない人は最初から履修しない方がいいかもしれません。授業のペースは速いです。江上先生はプリント類を一切使わずすべて板書されるのですが、わりと早口で授業されるのに、喋る速度と書く速度がほぼ同じで、しかも字が遠くからでもきちんと読めるという神業を持った先生です!ノートを取る方のことも少し考えてくれたらなぁと時々思ったりします。特に、授業中に寝てしまうと絶対に追いつけないので、寝てる人は大変だろうなぁと思いながら授業を受けています(笑)。

実践簿記   担当: 牧野・山田先生

日商簿記検定に合格することを目標にした講義で、大原簿記専門学校の先生が京大に来て下くださり、前期・後期とも毎週2コマ連続授業があります。前期はまず、6月下旬にある日商簿記3級に合格するために、非常識な速度で3級の範囲の講義と答練(模試みたいなものです)を詰め込みます。大変と言えば大変なのですが、仮に復習が遅れていったとしても、直前に必死に追い込めば3級はほとんどの人が合格できます。簿記の勉強を始めてはみたけど自分は会計分野にはあんまり興味ないかも、という人でもがんばればちゃんと合格します。3級の試験が終わったら、今度は11月下旬の2級に向けた勉強です。といっても7月の数回の授業のあとすぐに前期試験期間に入ってしまうので、前期中には2級の範囲はほんの少ししか進めません。普通の授業時間だけでは到底範囲を網羅できないので、夏休みの最後(つまり9月の第4週)に4日間ほど集中講義(1日に3コマ程度)が開講され、全試験範囲の半分をその4日間で全速力で終わります。私は夏休み中にほぼすべての範囲を予習していたのですが、それでも復習が大変でした。10月最終週の授業で全範囲を終えてしまい、それ以降の検定本番までの授業では過去問・模試を解きまくります。これは本当に大変です。特に、自分の復習の波にきちんと乗っていないと大変です。とにかく大変です。説明になっていませんが、大変なんです。模試は1つ解くとものすごく疲れるし、なかなか点数が取れず精神的にも疲れます。大変です。あぁ、何か大学受験の合格体験記みたいになってますね…(笑)。でも計画的にがんばって勉強し、本番きちんと集中できれば必ず報われます。私は3級を95点、2級を94点で通りました☆2級の試験が終わったら、12月中旬にあるBATIC(英文会計)subject1に合格するための授業があり、英文会計の検定を受けたいと思っていた私にとってはとてもありがたかったです。ただ、簿記3級2級の時に負けず劣らず準備期間が非常識に短く、「みなさんのポテンシャルに賭けます!」と先生が叫ぶような状態なので(笑)、ちょっと大変です。長々書きましたが、ひと言でまとめると、つまりは大変だったということです。でも、検定の勉強をまともにやっていれば、期末試験でも模試のような問題が出されるので、特別なテスト勉強をしなくても前期後期ともに2コマ分の単位が手に入ります。そのうえ検定にも合格できるのですから、これ以上得な授業はないですね!総合人間学部や法学部などからも、資格取得目的で登録して授業に来る人が多いです。みなさんもぜひ一石二鳥のこの講義を受けてくださいね☆

英語IIA(Writing)   担当: Brian Hayashi先生

2回生前期に取っていた英語の授業です。1回生の英語はクラス指定なのですが、2回生になると、開講される膨大な数のクラスから内容と曜日・時限を見て自分でどの授業を受けるか決めなければいけません。専門科目の時間割との兼ね合いもあるので、クラス選びは意外と大変で頭がおかしくなりそうでした(笑)。しかも、各クラス人数制限がかかっているので、せっかく選んでも希望者が多かったら抽選なんですよ…。それはさておき、膨大にある英語のクラスはほぼすべてReadingの授業なのですが、PresentationとWritingのクラスが2つずつくらい開講されていて、私はBrian先生のWritingの授業を選びました。ReadingとPresentationのクラスは普通に週1回の授業ですが、Writingは週2回セットで受けなければならないので、希望者が少なくて抽選になりませんでした☆毎回の授業で、少しずつ英文をとにかく「書く」ところから始まって、授業中にとにかくPCに向かって英作させられます。具体的には、あるテーマ(たとえば「山と海どちらが好きか、それはなぜか、理由を5つ」など)が授業の最後に与えられ、次の授業までに骨組みだけを英語でメモしていきます。もちろんそのメモも宿題チェックされるので適当にはできません。そして、作ってきたメモを膨らませながら、制限時間25分間でひたすらPCで英文を打ちます。なぜPCを使うかというと、TOEFLではWritingの試験もPCで行うので、タイピングもある程度の速度が必要だからです。先生はいつも「間違いはあとで直せばいいからとにかく止まらずに書き続けなさい!」「Don’t use Back space key!!」って25分間ずっと言ってます(笑)。これにはけっこう鍛えられますね。私は前期の中ごろに一度TOEFLを受けて、壊滅状態だったのですが(笑)、Writingの中で、この授業でやったような形式の問題だけやたらと点数がよかったです(^_^;)前期の後半からは、「英語での論文の書き方」を教わって、最後の授業までに、好きなテーマで論文のひな型を完成させます。もちろん実際に研究するわけではないのであくまでひな型ですよ。この授業の良いところは、成績評価が「出席」「授業中の取り組み」「improvement」であるところです!出席重視の授業はよくありますが、授業を通しての成長を重視してくれる先生はなかなかいないです。というより、成長過程が見えるような内容の授業が少ないだけですが。そして、期末試験がないのも試験期間のスケジュール的には助かります☆京大生は授業に行かずに単位を取れる授業の方が人気なのですが、出席重視が嫌でなければこの授業を受けるといいと思います。この授業は定員が20名と他の授業の半分なので1人1人の宿題チェックも丁寧に見てコメントをくださいますし、3回目の授業ではほぼ全員の名前を覚えてくださっているようないい先生なので本当におすすめです☆

ドイツ語IIA IIB (会話)   担当: 田邊&Trauden先生

同じく、第2外国語も2回生になったらいくつかあるクラスから自分で選びます。英語と同様ほとんどがReadingクラスですが、私は定員が他の授業の半分であるこの会話の授業を前期も後期も選びました。授業には日本人の田邊先生もいらっしゃいますが、基本的にはドイツ人のTrauden先生が授業をします。ルールは、「とにかくドイツ語を喋る」こと。もちろん、当てられて分からなければ「分かりません」とか「○○ってドイツ語で何て言うんですか」とか聞きまくっていいのですが、まずその質問をドイツ語でどう言うのか教えられ、それをドイツ語で言えたら質問の答えを教えてもらえて、教えてもらった答えを使ってやっと当てられた質問に答える、という徹底ぶり(笑)。教科書にもドイツ語しか書かれていなくて予習が大変で、半分だけでも英語で書いてくれればいいのに、と思いながらやっていました。そんな大変な授業をなぜ後期も取ったのかと言うと、先生が大好きで授業が楽しかったからです。それと、成績評価が出席と取り組み重視で、筆記テストが恐ろしく楽だったからです(笑)。テストの前の週に「好きな本について説明してください」のようなテーマが5つほど与えられ、好きなものを1つ選んでその答えをドイツ語で用意しておいて、テストの日は自分が考えた独作文を書いたら終わりです!ただし、辞書以外の持ち込みは不可なので考えた文を覚える必要はあります。この授業は楽しいので、出席重視が嫌でなければオススメですが…教科書のドイツ語の難易度は高いので、ドイツ語に「慣れたなぁ」というレベルくらいまでしか行けない可能性が高いです(^_^;)

Q2. 思い出の単位について

思い出の単位…なんでしょう(笑)。これ、というのはないのですが、2回生になって試験勉強がちょっとしんどくなりました。基本的に、私は経済に興味があって経済学部に来たし、嫌な授業は取っていないので内容はどれもとても面白いのですが、「おもしろいな、なるほど!」と納得できても、それを何も見ずに試験の時間内に説明しなければならないとなると…1回生の頃はまじめに勉強して覚えれば普通に書けるのですが、2回生の内容は複雑なものも出てくるので大変に感じます。公式や定理などを書いた紙を1枚だけ持ちこめる試験もありますが(公式や定理を覚えることは本質的ではないと考える先生はこのやり方をします)、それを持ちこんでもイマイチできなかったりもしますからね…(笑)。だから、センターの点数が悪かったから法学部は無理そうだと思った、とか、社会の科目的に経済学部が楽そうだった、という動機で経済学部に入った人はすごく苦労しているみたいです。学部選びは興味で決めた方がいいと思いますよ。

Q3. 身の周りにいるすごい人物を教えてください。

ゼミの教授です。論理的すぎる。頭の回転が速すぎる。論理的すぎておそろしい…。それに加え、バーベル部の顧問をしていて部員と一緒に体を鍛えていらっしゃるので、スタイリッシュです。かっこいいんですよ、先生☆

Q4. 学食の好きなメニュー上位3つ

1位:『サラダバー』~生のお野菜、海藻、スパゲティーサラダ、ポテトサラダ、豆類などがならんでいて、1g1円で好きなだけ取れるので気にいっています♪サラダ大好きなので☆

2位:『わかめそば』~そばは低カロリーなのでいいですよね☆でも母が重度のそばアレルギーのため家では絶対食べられません。大学なら安心して食べられます。わかめそばは、わかめもネギもたくさん乗せてくれるのでお気に入りです☆

3位:『ささみチーズフライ』~カロリーが高いので今は食べないのですが(笑)。万人受けします。おいしいです。キャベツの千切りがついてます!常に人気メニューのようです。

Q5. 今の大学に入って一番良かったと感じることは何ですか?

環境が恵まれていることですね。京大は全国に本当に色々な設備を持っていて、他の学部の専門施設でも、一般教養科目で入れたりすることもありますし、図書館も全体のものだけでなく学部ごとにかなりの数の専門書がそろえてありますし…。そして、京大は変人の集まりとよく言いますが、みんなそれぞれちょっとずつ別々の方向に「ズレて」いるので、色々な考え方の友達がいます。普通の話も勉強の話も、自分とは違う視点からの考えをいつも聞けるのが刺激的でいいです(笑)。

Q6. これからあなたの歩んでいく道はどのようなものになっていきそうですか?また、周りの友達の進路はどういった方面が多いですか?

私が所属しているゼミが管理会計のゼミなので、公認会計士を目指す友達も多いです。でもたいていは企業就職です。経済学部で大学院に進学する人はとても少なくて、私の知り合いにはいません。

私は、1回生の入門科目・2回生の専門基礎科目で、金融系・会計系・歴史系・国際政治経済系・日本政治経済系etc.と各分野の授業を最低1つずつは受けたと思いますが、どうも好き嫌いがはっきりしていて(笑)、会計分野に興味があるので、将来は経理の仕事がしたいなぁと考えています。簿記2級からのステップアップとして12月にBATIC(英文会計)のsubject1でAccountant Levelまで取得したので、今は7月のsubject2でController Levelを取れるように勉強しています。このグローバル化の時代、各国でバラバラな会計基準のIFRS(国際会計基準)へのコンバージェンスの動きが進んでいますし、会計処理を英語でできた方がいいですからね☆

Q7. 大学生活で打ち込んでいることを教えてください。

各曜日の過ごし方を見ても分かる通り、後期は特に、ゼミ中心の生活です!経済学部は他の学部より1年早く、2回生からゼミに所属することができます。私が所属しているのは、管理会計が専門の澤邉紀生教授のゼミです☆毎年定員10人に対して20人弱が応募する人気ゼミであると同時に、「経済学部3大しんどいゼミ」の次にハードなゼミだそうです。私は学年の幹事をしていて、3回生の学年幹事がゼミの学生代表を兼任するので、4月からは私が学生代表になります☆ゼミでのメインの活動は、2回生が10人1組1チーム、3回生が5人1組2チームで行っている研究です。テーマは会計に関連する内容ならチームごとに自由に決められます。問題意識→大きなテーマ決定→先行研究の整理→リサーチクエスチョンの設定→先行研究の整理→実地調査・分析など→一橋大学との合同ゼミで研究成果発表→フィードバックをもとにさらに研究→年度末に1本の論文を執筆 というのが研究の流れなのですが、2回生は特に、初めてのことだらけで何をどうすればいいのか全然分からず本当に大変でした。問題意識って何?から始まりますからね(笑)。教授がいつもおっしゃるのは、「せっかく研究するんだから、今問題になっていることの中でまだ解決されておらず、自分たちの研究で解決の方向に導けそうなことをしなさい」ということです。つまり、微力であっても社会に貢献できる、あるいはその方向につながりそうな研究になるよう意識することが大切だということです。そして、絶対論理に矛盾があってはいけないのだと常に言われ、毎週のゼミで研究の進捗状況を各チームが報告する時に、ものすごく細かいことまで突っ込んで先生に色々質問され、時には「うーん、それは問題意識とはズレてるから、もう一回問題意識から考え直した方がいいかもね!」とさわやかに言われることもあります(^_^;)問題意識って研究のスタート地点なんですけど…。先生にさわやかに言われると、メンバー一同ひきつった笑顔で動揺をごまかすしかないのですが、それを研究発表まで2カ月ほどしかない時期に言われた私たち2回生10人の心境は、人生ゲームで「スタートに戻る」のマスにとまった時とはもう次元の違うものですよ(笑)。リアルすぎて笑えませんでした…。あの頃の私は、色々な友達に「Mちゃん、何かあった?」と聞かれるほど精神的に疲弊していましたね、簿記2級の試験も迫っていた頃だったので。でも、私たちはそんな切羽詰まったというか、どん底というか、半分鬱状態から10人で協力して異常なタイムラインであるとは分かりつつも、必死に頑張りました。60社近い企業に実際にアンケートを送付したり電話ヒアリングをしたりして、理論だけでは見えてこない部分の実地調査もでき、一橋大学との研究成果発表では、先生方やたくさんの先輩から「『2回生のわりには』すごいレベル高いね!最後の1カ月ですごい進んだね、がんばったね!」と言っていただけて、有終の美を飾ることができました。3回生になったらあの大変な研究をまた1から、しかも半分の人数でやるのかぁ…と思うと、楽しみなのですが、さらに高いレベルを求められるので大変だなぁと気が引き締まります(笑)。

Q8. 自分の大学を目指している高校生へのメッセージをお願いします。

受験勉強は、大変なこともあると思いますが、やるべきことを全部やってください。1年生や2年生のみなさんはまだ基礎固めの時期ですから、覚えるべき英語や古文の単語の長いリストがあるでしょう。3年生でもセンターの理科や社会で細かく覚えることがたくさんあるでしょう。そしてそんな時、「えーこれ全部覚えなあかんの??」と一瞬躊躇することがあるのではないかと思います。そう思った時は、全部覚えてください。躊躇している暇があったらやり始めてください。全部覚えなければならないという規則はありません。あなたが京大を受験しなければならないという法律も存在しません。「志望校を変える」という選択肢もこの世には存在するわけですから、やりたくなければやらなくていいのです。でも、いまみなさんは自分が京大に行くことを希望して勉強していますよね。それなら、やれることは0.1mmも余さずやってください。「これ全部覚えなあかんの??」じゃなくて、「これ全部覚えたら京大に1歩近づける」って声に出してください。できますよ、本当に京大に行きたいとあなたが思っているなら。だって、過去に合格している人たちだって同じくらいたくさんのことを覚えたのですから。

でも、たとえば『ぼん単』を覚えていたら、後ろの方には「ほんとにこれ使うの?今まで見たことないけど」という単語があったりしますよね。そう思っても、とにかく先生が覚えろとおっしゃった範囲の中にある単語は全部覚えてください。京大を受験するたくさんの人の中に、合格最低点で受かる人と、0.1点差で落ちる人が必ず複数人ずつ存在します。もし、いま目の前にある単語が、その最後の0.1点の差を決めるものになるとしたら?覚えるしかない、ですね!

「大学受験生」という身分は今しかないので、存分に満喫しておいてくださいね(笑)。なかなか、いい身分ですよ☆世間には「あら、受験生なの、大変ねぇ」って言ってもらえるし、とにかく受験勉強さえしていれば許される。家族が自分のために少しずつ色んな事を我慢してくれる。受験が終わったらそんな身分にはもう戻れませんよ(笑)。

そしてこれは以前にも書いたことがあるかも知れないですが、学年問わず「このままじゃ無理だよ」と言われることがあると思います。でもネガティブにとらないでください。「このまま」では無理なら「このまま」じゃない状態に持っていけばいいだけなので☆すべきことは、いたって簡単です。現実を見てください。自分の苦手なことは何か?弱点は何か?現実を逃げずに認めた人にだけ、未来を変える力が与えられます。過去と他人は変えられないけど、未来と自分は変えられる。過去の成績が悪くても関係ありません。未来のことはすべて不確定。今から自分の意志で変えられますよ。

最後に、私の好きな言葉を贈ります。

Where there's a will, there's a way. (意志あるところに道は開ける)

All our dreams can come true - if we have the courage to pursue them. (追い続ける勇気があるなら、すべての夢は必ず実現できる) by. Walt Disney