東京大学 文科I類 2010年現役合格
A.Y.さん
- 出身高校
- 灘高校
- 進学大学
- 東京大学 文科I類
Q1. 大学の講義について教えてください。
<2年次冬学期の時間割>
大学の時間割 | |||
---|---|---|---|
――― | 月 | 火 | 水 |
1限 | ――― | ――― | ――― |
2限 | ――― | ――― | 刑法第一部 |
3限 | ――― | ――― | ヨーロッパ政治史 |
4限 | ――― | ――― | 国際法第一部 |
5限 | ――― | ――― | 国際政治 |
6限 | ――― | ――― | ――― |
――― | 木 | 金 | 土 |
1限 | ――― | 国際法第一部 | ――― |
2限 | 民法第一部 | ヨーロッパ政治史 | ――― |
3限 | ――― | 憲法第一部 | ――― |
4限 | ――― | ――― | ――― |
5限 | ――― | 国際政治 | ――― |
6限 | ――― | ――― | ――― |
月曜日の過ごし方:友達と遊ぶ、ときどき塾
火曜日の過ごし方:バイト(家庭教師)
水曜日の過ごし方:レッスン、塾
木曜日の過ごし方:友達と遊ぶ
金曜日の過ごし方:バイト(家庭教師)、塾
講座PickUp!
憲法第一部 担当: 日比野 勤先生
もはや法学部の名物教授と言っていいかもしれません。法学部に進学する人は必ずお世話になるだろう先生で、とにかく授業が長いです。通常授業の期間に授業範囲が終わらなければ補講期間が1週間ほどあるのですが、この先生はひどい時は1日のうち1・2・5・6限(つまり時間に直すと6時間)を補講で行っていました。ちなみに僕は最初の3回以降ほとんど出席しませんでしたが、まじめに補講も出席していた友人に聞くと、机と体がひっつくような感覚に襲われたそうです。しかし、教授のおっしゃる授業内容を紙媒体に落とし込むと、最高裁の判決に対して的確かつ深みのある批判をしていることが分かり、日比野ワールドへ引き込まれてしまいます。まぁ、実際授業に出て聞くのは退屈なんですけれども(笑)。
国際政治 担当: 藤原 帰一先生
これも法学部の授業なのですが、結構メディアに出ていらっしゃる有名な先生の授業で、先生の話術に引き込まれてたちまち1時間半たっています。また映画鑑賞が趣味らしく、ときどき国際政治と関連する映画について語ったり、その映画の評価をしたりと雑談も多く大変ためになる授業だと思います。イケメンなので女子学生の人気も高いようです。
近現代史 担当: 伊熊 幹夫先生
これは前期教養学部の授業なのですが、読売新聞かどこかの記者の方が出講して授業しているもので、パワーポイントや実際の映像、BBCなどの海外メディアのニュース映像を中心に現代国際政治史をまとめる授業で、非常に面白くためになる授業です。僕の主観かもしれませんが、大学入試の世界史の勉強では現代史を割と単なる重要歴史事項の羅列として断片的にしか理解できない部分があるのでそれをもっと広い視野・観点からまとめ直すことができる授業だと思います。この授業も比較的人気のあるものです。
Q2. 思い出の単位について
大学の試験勉強が今までの試験と違うところは、寝坊して欠席することがしばしばあるということかなと思います。教養学部(前半の2年間)のころは周りもそれほど勉強していないので、自分を律することさえできればよい成績をとることが比較的簡単にできると思いますが、眠気にはどうしても勝てないものです。東京大学は語学以外基本期末試験1本勝負なので、寝坊で休んでしまう(いわゆる寝ブッチ)と、追試の行われるもの以外は1年後でないと同じ授業の単位が取れないのが辛かったりもします。
Q3. 身の周りにいるすごい人物を教えてください。
同じクラスに東京大学の総長賞を2年生にして取った人がいます。一時期話題になったマイケル・サンデル教授の対話形式の授業を参考に「東大の白熱教室」と題した討論授業を主催したり、学生国際会議G8ユースサミットで内閣総理大臣役(日本の代表団のトップ)として参加したり、「The Japan Times」の学生記者として活躍しています。近い将来大物になることは間違いないと思います。
Q4. 学食の好きなメニュー上位3つ
1位:駒場2階食堂のオムライス
2位:駒場2階食堂の豚かき玉うどん
Q5. 今の大学に入って一番良かったと感じることは何ですか?
やはり周りの人から受ける刺激が多いことが一番の魅力だと思います。いろいろな活動をしている人がいて、切磋琢磨してお互いに刺激し合える環境に身を置くことができると思います(ただし自分から主体的に動かなければ時間だけが過ぎ去っていく)。また非常に各施設が充実していて便利で、さすが東大だなぁと思います。特に駒場キャンパスの図書館はきれいで勉強するのにもってこいのスペースを提供してくれますし、本郷キャンパスは各学部ごとの図書館と総合図書館があり、特に総合図書館の荘厳な歴史を感じさせるたたずまいと雰囲気は一度味わってみるべきだと思います。
Q6. これからあなたの歩んでいく道はどのようなものになっていきそうですか?また、周りの友達の進路はどういった方面が多いですか?
法学部生は法曹志望と国家公務員志望の人が多く、民間就職をするという人は少数派のようです。自分は元来政治というものに関心・興味を持っており、経済不況や東日本大震災のこともあってますます実際の政治の動きを身をもって体感したいという気持ちが強くなっており、おそらく民間企業への就職活動をしながら国家公務員を目指すことになると思います。
Q7. 大学生活で打ち込んでいることを教えてください。
基本的にバイトとしてやっている家庭教師にやりがいを感じています。現在3人を指導しているのですが、最初はお金を稼ぐということを主たる目的としてやっていたのですが、だんだん生徒やその親御さんと接するうちに責任感が芽生え、成績を上げてやりたい・志望校に合格させてあげたいという気持ちになってきており、大変貴重な体験をさせていただいています。
また偶然の縁からモデル活動も少しかじらせていただいており、社会人の方と接する機会に比較的恵まれていることは大変ありがたいことだと思っています。
Q8. 自分の大学を目指している高校生へのメッセージをお願いします。
大学はいい意味でも悪い意味でも、自分の意思に従って自由に行動することが高校時代よりも可能になります。なので今の時期に大学で遊ぶのを目標として勉強に励むのもいいし、自分の夢に近づくために勉強に励むのもいいし、一人暮らしや女の子とのキャンパスライフを想像して頑張るのでもいいと思います。特に来年度の受験生となる次の高校3年生の人たちは1年モチベーション保ち続けるために、何か大学でやりたいことを漠然とでもいいので頭の片隅に置くことが大事だと思います。オープンキャンパスに行ってみるのもいいかもしれません。
次に高校1・2年生になる人たちは、自分は高校3年生まであまり勉強していなかったので偉そうなことを言える立場ではありませんが、そこまで根詰めて勉強ばかりやるのではなく、できる限り見聞や社会常識を得ることを考えたほうがいいと思います。所詮学歴は学歴でしかなく、社会に出てから役に立つのはむしろ人とのコミュニケーション能力や社会常識(マナー)だと大学にこの2年近く通って感じました。もちろん勉強はするに越したことはないとは思いますけれども。