東京大学 文科I類 2010年現役合格

K.T.さん

K.T.さん

出身高校
甲陽学院高校
進学大学
東京大学 文科I類

Q1. 大学の講義について教えてください。

  <2年次の時間割>

大学の時間割
―――
1限 ――― ――― ―――
2限 英語
スピーチ
国際関係論
—連邦制
イスラムの暮らし
3限 英語
読解
インドの食と
近現代アイデンティティ
文化人類学
-集団範疇とカースト
4限 アジアの地理 ――― ―――
5限 ラテンアメリカ音楽と
社会
――― ―――
6限 ――― ――― ―――
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1限 ――― ――― ―――
2限 東南アジア地域研究 アジア政治構造論 ―――
3限 ――― ――― ―――
4限 ヒンディー語初級 インド近現代政治 ―――
5限 ヒンディー語中級 地域文化演習 ―――
6限 ――― ――― ―――

月曜日の過ごし方:バイトもしくは勉強

火曜日の過ごし方:バイトもしくは勉強、音楽

水曜日の過ごし方:勉強もしくは音楽

木曜日の過ごし方:勉強

金曜日の過ごし方:勉強

講座PickUp!

ラテンアメリカ音楽演奏入門ゼミ     担当: 石橋 純先生

やはり、この授業に限ると思います。東大には全学体験ゼミナールという授業ならびに単位の枠組みが存在しましてこの授業もその一つです。全学体験ゼミナールというのは、教員が自分の研究テーマから派生した活動を学生と一緒に行うというもので、かなりくだけた言い方をすれば小学校にある「総合の時間」のようなものでしょうか。

このラテンアメリカ音楽入門ゼミでは、毎週1度学生20名で集まってラテンアメリカ(主にベネズエラ)の音楽を練習して、学期末にコンサートを企画し、そこで演奏したら単位がもらえるという大変ユニークな授業です。

私はこの授業の学生代表をやっておりまして、さらにはその授業から派生した楽団Estudiantina Komabaのリーダーをやっております。これについてはまた、後述させていただきますが、ぜひ皆さん、東大に入学された際にはこの授業のガイダンスを覗いて履修を検討してみてください。月曜の6限にやっております。

インドの食と近現代アイデンティティ   担当: 井坂 理穂先生

高校で地理の勉強をしているみなさんにとって、インドとはどのようなイメージの国でしょうか?牛肉を食べない国、すべての料理が辛い国、だとかそういう感じでしょうか?

先ほどのイメージは実はすべて間違っている、というか偏見の創造物といったところでしょうか。

この授業ではインドの食にまつわる問題(例えば、肉食をする人としない人がどうやって一緒に食事をするか)が、インドの近現代のアイデンティティの形成にどのように関わっているかの授業です。来年度以降の開講はわかりませんが、大変興味深いテーマだと思います。

Q2. 思い出の単位について

私は文科一類に入学したのですが、法学部ではなく教養学部に進学しました。せっかくですので、教養学部の勉強についてご紹介させていただきます。

教養学部の勉強は、一言で言うなら少人数性のインテンシブなものです。大教室よりは数名での演習形式の授業。試験ではなく、期末レポートというパターンが多く見受けられます。ちなみに今私は7本のレポートを抱えており、今月中に書き終えなくてはいけず、だいたい1本4000字から8000字なのですが、10000万字のものが一つありかなり苦戦しています。(この原稿は1/19脱稿)

みなさんも、教養学部に進学する際には、ちゃんと学校に行って授業に出る覚悟をしておいてください。

Q3. 身の周りにいるすごい人物を教えてください。

某居酒屋チェーンでバイトしすぎて月に25万稼ぎ、かつ試験をすべて行かず東大をやめていった女子。

東大の国語の入試で108点、数学9点で入った女子。

Q4. 学食の好きなメニュー上位3つ

すみません、、、学食に特に好きなものがないのですが、、、

Q5. 今の大学に入って一番良かったと感じることは何ですか?

駒場キャンパスの立地はすばらしいと思います。渋谷にも下北沢にも歩いていけますし。もう少し学習面で言うならば、東大(特に教養学部)は、かなり主体的な勉強が必要であり、それが意思さえあれば好きなだけできる環境を提供してくれることです。今の学部が地域文化研究というのもありますが、東大の入試レベルの世界史や地理の知識がなくては授業に出てもついていけません。

Q6. これからあなたの歩んでいく道はどのようなものになっていきそうですか?また、周りの友達の進路はどういった方面が多いですか?

自分は日本企業のインド駐在員か、インドの企業に就職したいと思っています。まわりは、研究職、就職どちらも多種多様です。

Q7. 大学生活で打ち込んでいることを教えてください。

私は先ほども述べました、「ラテンアメリカ音楽演奏入門ゼミ」ならびに、それを母体として派生した楽団「Estudiantina Komaba」です。改めて授業の詳細を述べさせていただきます。

みなさんは、ブラジルのサンバ、アルゼンチンのタンゴ、メキシコのサルサ等の音楽は、実際にやったことは無くても聴いたり、また名前だけでもご存知の方が多いと思います。そのような、サンバ、タンゴ等と並んでベネズエラにも「ホローポ(joropo)」、「カリプソ(calypso)」、「メレンゲ(merengue)」等様々なジャンルの音楽があります。うちの楽団ではそのようなベネズエラの音楽を、ベネズエラの本物の楽器を用いて演奏しています。

日本で、ベネズエラ音楽を学生だけでアンサンブルする楽団が我々だけということもあって、多くの団体に招待されライブ活動を行っています。昨年度から合わせると、仙台、スペイン大使館施設、横浜、所沢、函館、札幌、小樽と様々な都市へ赴きました。ちなみにこの原稿を書いている1/19の時点ではすでに、函館(2度目)、ベネズエラ、西日本のツアーが予定されています。

長くなりましたが、最後にこの楽団に限らない、大学生活において打ち込むことに関する所見を述べさせていただくと、やはり「高校生の脳みそで創造しうる範囲」に収まらない活動というのが、大事だし、大学に行くことの意味があると思います。研伸館で勉強しているときに、自分が大学でインドのことを勉強しながら趣味でベネズエラ音楽をやるだなんて思いもしなかったので(笑)。

皆さんも無事、受験が終わり入学する際には、高校の時からやってきたことの延長に囚われずのびのびとした気持ちでいろんなことに出会ってみてください。

参考にうちの楽団のHPを載せておきます。勉強の息抜きにでものぞいてみてください。

http://www.geocities.jp/estudiantinakom/

(Facebookページ)  http://www.facebook.com/EstudiantinaKomaba

Q8. 自分の大学を目指している高校生へのメッセージをお願いします。

東大を目指す皆さんに限らず、全ての受験生の方にお伝えしたいことでもあるのですが、東大は「日本で一番入学するのが難しい」大学ではありますが、「日本で一番良い大学」とは限りません。東大を目指している方は「なぜ、自分が東大をめざすのか?」ということを一度ちゃんと考えてみてください。別に、その理由が「下北沢に住みたい。」とか「東大という肩書がほしい。」とかどんなものでも構いません。ただ、東大以外にも良い大学はたくさんありますし、特定の目標(経営学をひたすらやりたい等)や、特定の教授に動機づけられた方にとっては、大学は単なる1直線状に優劣関係で並ぶものではなく、より多元的な視点で選ぶべきだと思います。

大学はダブルスクールでもしない限り比較検討できないので、東大はどの大学よりも良いと断言はできませんが、入ってから充実する活動ができればどの大学も良い大学だと感じられるのではないでしょうか?高3の方は浪人覚悟で入るのが難しい大学を目指すのか等を考える際にこのようなことを多少参考にしていただければ幸いです。