神戸大学 医学部医学科 2010年現役合格

E.S.さん

E.S.さん

出身高校
兵庫県立神戸高校
進学大学
神戸大学 医学部医学科

Q1. 大学の講義について教えてください。

  <2年次(後期)の時間割>

大学の時間割
―――
1限 ――― 生理学(1~15W) ―――
2限 ――― 生理学(1~13,15W) ―――
3限 ――― 生理学(1~4W) ―――
4限 生化学実習(11W)
生理学実習(14~15W)
生理学(4W)
生化学実習(11W)
生理学実習(13~15W)
地域医療学(1~2W)
生化学実習(11W)
5限 生化学実習(11W)
生理学実習(14~15W)
生化学実習(11W)
生理学実習(13~15W)
地域医療学(1~2W)
生化学実習(11W)
6限 生化学実習(11W)
生理学実習(14~15W)
生化学実習(11W)
生理学実習(13~15W)
生化学実習(11W)
―――
1限 ――― ――― ―――
2限 ――― 生化学(1~15W) ―――
3限 医学英語(1~15W) 生化学(1~15W) ―――
4限 医学史・医学論
(1~6W)
生化学実習(11W)
生化学実習(11W)
生理学実習(13~15W)
―――
5限 医学史・医学論
(1~10,12~15W)
生化学実習(11W)
生化学実習(11W)
生理学実習(13~15W)
―――
6限 医学史・医学論
(1~10,12~15W)
生化学実習(11W)
生化学実習(11W)
生理学実習(13~15W)
―――

月曜日の過ごし方:1日ラボで過ごす

火曜日の過ごし方:午後からはフリーなことが多い。小児科ボランティアに行くこともある(夜)

水曜日の過ごし方:半日ラボで過ごして夕方からテニス(部活)

木曜日の過ごし方:できるだけ夜には予定を入れない (趣味にあてたり他の日にやる予定だったことなどを消化する)

金曜日の過ごし方:午後からラボで夕方からはテニス(部活)

講座PickUp!

基礎配属実習(2年次後期~3年次前期までの1年間)  担当: 植村先生

全員必修で、25分野もの中から1つの研究室に配属されます。私たちは卒業後、ほとんどの人が臨床医になりますが、学生の間に全員が1度実際の研究に触れることのできる、とても貴重な機会です。8週間は全員が実験をし、その後は講義コース(大学院の講義を聴講したりします)と実験コースのどちらかを選択できます。私は実験コースを選び、今も楽しく実験をしています。初めは慣れない作業ですが、私の研究室では基礎配属実習用の実験はなく、先生や大学院生の実験の一端を担わせて頂いています。私の先生は眼科の臨床医としても勤務されている先生で、網膜における血管新生に関する研究をされています。医学部を卒業後、すぐに基礎に入られた先生方もいらっしゃいますが、臨床に出て、自分の知りたいと思ったことなどをテーマに研究するという場合が多いようです。また、ラボには薬学部や理学部、工学部など様々な分野の出身の研究員、大学院生の方々が多いです。先生は論文の読み方なども教えて下さり、学生のうちから英語論文に触れることができるので、難しいですが、大変勉強になります。1年間という短い期間ではありますが、神戸大学に入学されたら、最先端の基礎研究にみなさんもぜひ触れてみて下さい!

医学序説     (リレー講義)

1回生前期にある専門科目で、コーディネーターの先生を中心に毎回講義される先生が変わるリレー形式の講義です。医学部の専門科目は、このように複数の先生がそれぞれの分野を担当する形式が多いです。この授業は、教養が中心となる1回生の、医学(特に臨床)への興味が薄れないように、臨床の現場に立たれている先生方が話をして下さいます。大学病院内の先生がほとんどですが、学外の先生方も来て下さいます。内容は消化器内科などメジャーなものから、眼科、肝胆膵外科、感染症まで本当に様々です。医学に対する知識がほとんどない状態なので、とても新鮮です。中には「医学って何?」という話から自分たちは何のために医学を学び、医師になるのか、など私たちにとって最も重要なことを考えさせられる授業でもあります。先生方の学生時代のお話も聞くことができ、学生のうちにやっておくべきことなどアドバイスを頂けたりします。山中先生も講義に来て下さいました!

Q2. 思い出の単位について

2回生のこの時期なので、やはり解剖学の辛さが記憶に新しいです。実習にかかる時間、そして4回もの試験(骨学50点、系統解剖学150点、発生学50点、神経学150点)は身体的に辛いです。まず、骨学は実習期間がわずか1週間で、その次の週の初めにいきなり試験です。さらにそれから系統解剖の実習が始まり、また実習を終えたその次の週の初めに、中間試験と呼ばれる系統解剖学の試験があるので、そこまでがかなり辛いです。発生と神経は、実習が終わっているので勉強する時間がとれますが、系統解剖までは、実習をやりながらの勉強になり、実習は最大で20時くらいまでやっているので、実習を終えると「今日あと4時間しかない!」という悲しみ… でも勉強しなきゃいけない… 解剖以外のことはできません(解剖のさなかでもアルバイトをやめない強者も中にはいます)。しかし、この時期は部活動も新歓や大会前などで忙しく、あまり休めません… 解剖と部活動に忙殺された日々でした(笑)。 それでも、ノートに書きまくり、覚えては忘れを繰り返しながら、家の中でもぶつぶつ言いながら(親からすれば実に不気味な娘だったと思います)、1度も再試験にかからずに解剖学に受かったときの達成感は大きかったです。テキストのへりは汚れ、めくれあがっていました。久しぶりによく勉強したなあと思いました。思い起こせば1回生のときの物理の電磁気が、再試験なしという生物選択の人にとっては辛いもので、私は必死に勉強しました。そのときは大学生にもなってどうして物理なんかに泣かなきゃいけないんだと思いましたが、解剖学はそのときの辛さを忘れさせてくれるような試験勉強でした。ただ、解剖学は物理と違って、自分の興味あること(ヒトの体のこと)を勉強するので、勉強自体は面白かったです。

Q3. 身の周りにいるすごい人物を教えてください。

・もうあとがなくなってきているのに(単位の上で)、精神がタフすぎて留年に対して強気なクラスメート

・卒業試験の前々日に部活の飲み会に参加された6回生の先輩 ←試験にはぎりぎり合格されました

Q4. 学食の好きなメニュー上位3つ

1位:『栄養士メニュー』~おかずの組み合わせを悩まなくてよく、量もそこそこあるので便利。バランスは良いと思うが、栄養士メニューながらカロリーが高いことがよくある。

2位:『デイリー』~割とこってりなおかずがのっていることが多い(コロッケとかカツとか)ので腹もちが良い。280円なので、ごはん(プチ60円)とで340円♪ 寒い冬には30円の汁ものをプラス。

3位:『○○フェア』~地方もの(広島産カキフライとか) ヨーロッパフェアみたいな不思議なフェアもある。私は期間限定ものに弱い (笑)

Q5. 今の大学に入って一番良かったと感じることは何ですか?

同じ道を進む(医師を目指す)仲間に囲まれていること。各々の道こそ違うものの皆医学を勉強しようと大学に入ったわけです。キャンパスの都合上、そして職業柄(専門性が強い)せまい世界になってしまうことが少し残念ですが、高校までと違い、皆が同じ方向性を持ってお互いに勉強を頑張っていける環境が私は嬉しいです。学生のうちに、できるだけ様々な分野の方々と交流する(ボランティアなどで)機会を持っていくことが大切かなと思います。

Q6. これからあなたの歩んでいく道はどのようなものになっていきそうですか?また、周りの友達の進路はどういった方面が多いですか?

医学部なので、私を含め多くの人が臨床医となります。中には開業する人もいますが、勤務医になる人が多いと思います。また少数ではありますが基礎研究に進む人もいます。私も基礎配属実習を通して研究にも興味を持ちました。なので、臨床に出ても1度は研究をしたいと考えています。私は、兵庫県地域枠での入学なので、卒業後9年間の義務年限があります。しかし、私は義務年限後も兵庫県のために働き続けていきたいと考えています。ちなみに、地方から来ている友達は、卒業後地元に帰るという人、関西圏(兵庫や大阪など)に残るという人、はたまた関東や海外に進出したいと考えている人、様々なようです。

Q7. 大学生活で打ち込んでいることを教えてください。

基礎配属実習(前述)の実験と部活(ソフトテニス)です。実験があまりに楽しくて、1週間で授業時間以外はラボで過ごしていたなんていうときもあったほどです。そのせいで、試験前でとても焦っています(泣)。部活も体育会系なのでシーズン中はがっつりやります。決して楽とは言いませんが、それ以上にソフトテニス部にいて得るものは大きいです。よい先輩、後輩、そして同級生に恵まれとても楽しいです。私のように初心者もたくさんいますし、大学入ってスポーツを始めたという人もたくさんいます。部活と勉強の両立に奮闘する高校生のような生活をしているように思われるかもしれませんが、もちろん旅行もおしゃれも女子会も(!?)しっかり楽しんでいます。打ち込むものも自分次第です。今の生活はとても充実しています!!

Q8. 自分の大学を目指している高校生へのメッセージをお願いします。

医師というと臨床医のイメージが強いと思います。しかし、医学部に入って本格的に臨床を勉強するのは4年次からです。それまでは基礎医学といって、生理学や生化学、解剖学、病理学、薬理学、法医学など、一見面倒くさそうな勉強しにくい科目を学びます。分厚い教科書に書かれている情報は膨大な量ですが、これらは臨床を学ぶ上で欠かせない土台となります。人の体について知るということは非常に面白いです。私たちの体は驚くほど、精密に制御されています。人の体って本当によくできています。

受験勉強は辛いと思います。しかし、受験という門をくぐり抜けたその先には、自分が学びたいと思ってきた、医学という今までにない広い世界が待っています。医学を志すにあたって、誰しも何らかのきっかけがあったと思います。勉強で辛くなったとき、それを思い出して、乗り越えていってほしいと思います。