滋賀医科大学 医学部医学科 2010年現役合格
H.H.さん
- 出身高校
- 四天王寺高校
- 進学大学
- 滋賀医科大学 医学部医学科
Q1. 大学の講義について教えてください。
<2年次(後期)の時間割>
大学の時間割 | |||
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――― | 月 | 火 | 水 |
1限 | 代謝生化学 | 臓器生理学 | 人体構造学実習 |
2限 | 代謝生化学 核酸生化学 人体構造学 |
神経解剖学 神経薬理学 |
|
3限 | 人体構造学 人体構造学実習 |
臓器生理学実習 代謝生化学実習 核酸生化学実習 神経解剖学実習 |
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4限 | |||
5限 | |||
6限 | ――― | ――― | ――― |
――― | 木 | 金 | 土 |
1限 | 代謝生化学 | 臓器生理学 | ――― |
2限 | 代謝生化学 核酸生化学 |
――― | |
3限 | 臓器生理学実習 代謝生化学実習 核酸生化学実習 神経解剖学実習 |
人体構造学実習 | ――― |
4限 | ――― | ||
5限 | ――― | ||
6限 | ――― | ――― | ――― |
月曜日の過ごし方:大学の図書館でバイト
火曜日の過ごし方:部活(オーケストラ)
水曜日の過ごし方:部活(茶道)
木曜日の過ごし方:部活(オーケストラ)
金曜日の過ごし方:大学の図書館でバイト
講座PickUp!
睡眠学概論 担当: 宮崎総一郎先生他
この講座は滋賀医大で、日本で初めて行われている講座です!普段睡眠外来をされている先生や睡眠について研究しておられる先生方が交代で、睡眠に関わる知識や実際の臨床での治療法などのお話をされました。生徒たちがグループでサマータイムの意義について話し合って討論するような実習もあり、生徒が自分の生活パターンを一ヶ月間記録したシートを提出して先生が私たちの睡眠についてアドバイスしてくださるというサプライズもありました。他大学の学生にも公開されていて、立命館大学などの学生も聞きに来ていました。そのため、医療系でない生徒にもわかるような内容で授業は行われ、まだ専門課程に進んでいない私たちにも十分に理解できる内容でした。2年の前期に週に1コマあった選択科目です。
近年、睡眠は健康との関わりが深いことがわかってきて、ますます重要視されてきています。睡眠障害を訴える方や、睡眠時無呼吸症候群の方も多くなっています。医療現場では精神の健康を保ったり、病気の治りを早くしたりするために睡眠の知識を使わねばならない場面が多いと思うので、受講して良かったです。もっと他大学でも開講されたらいいのに!
全人的医療体験学習 担当: 三ッ浪健一先生他
この講座は、「患者さんの性格、人生観などを総合的に考慮して、患者さんにとって最適と思われる治療を行う」という「全人的」な立場を学び、将来に活かすことを目標とするもので、1年の前期から2年の前期までの一年半かけて行われたものです。始めの2カ月で「全人的医療とは何か」の講義を聞いたりディスカッションしたりして、その後は滋賀県内の診療所にかかっておられる担当の患者さんを2カ月毎に訪ねてお話をきいたりリハビリに付き添ったりするという実習を行い、各生徒が途中経過を発表するフィードバックもしました。私たちには何の医療知識もないので、何も専門的な事は出来ませんでしたが、「話を聞いてあげるだけで、人の気持ちは楽になるし元気づけられる」ことを身を持って体験できました。また、医者には言いにくい不満を聞くこともできて、学生の今しか得られない貴重な機会でした。
Q2. 思い出の単位について
めちゃめちゃ頑張った講座は、「基礎科学研究」です。滋賀医科大学にはゼミの制度がなく、自主研修も4年の夏休みにしか行われませんし、医学科は卒業論文を書くこともありませんから、2年の前期に半年かけて1つのテーマについて研究したり実験したりする単位があります。選択科目なのに、進級するためにはなぜかドイツ語選択者以外はとらねばならないようになっています…。様々な科目から、私はノーベル賞について学ぶ化学を選択し(一番大変だと有名でしたが、あえて挑戦しました)、子宮頸がんの主原因がHPV16,18型だと発見したHausen博士について研究しました。毎週、一週間の研究の成果をパワーポイントで受講者と教授の前で発表し、教授や受講者からコメント(ダメ出し)を受けました。英語の受賞論文を理解すべく辞書と格闘し、専門的な実験方法を調べるために図書館に日参し、必修科目の予習やテスト勉強や睡眠をそっちのけで毎回のパワーポイントを仕上げるのに、またコメントを受けて…。楽であるはずの私の2年前期は、バイトでも部活でもなく、基礎科学研究の記憶しかありません(笑)。おかげで、一緒にパソコン室や図書館で頑張った化学の受講者とは、今までしゃべったことがなかったような人とも、とっても仲良くなりました。学期末に物理、化学、生物、数学、情報の基礎科学研究の受講者全員での研究発表会終了後、一番手厳しいコメントを受けていた先生に「よく頑張った」と初めてお褒めの言葉を受けた時に、化学選択者全員でガッツポーズをしたのは本当にいい思い出です。ここまでいろいろと言いましたが、毎週お世話になった教授の先生とは、これからもいろいろと相談に行けるほど仲良くなりました。また、このときに私の調べた実験方法は2年後期の実習で使う機会があり、実習の際には他の学生よりもメカニズムを理解するのに時間がかからなかったというオマケもついてきました。頼りにできる教授がいるのは安心ですし、仲良くなった人も多いし、いい経験をしたと思います。
ちなみに、医学科で一番苦しいと名高い2年後期のスケジュールは、授業と実習の間にテストが詰め込まれていて、信じられないくらいに忙しいです。早く空きコマのある生活に戻りたいです。
Q3. 身の周りにいるすごい人物を教えてください。
滋賀医科大学は、一旦大学を卒業している「再受験生(1年から入学)」と「学士編入生(2年後期から編入)」が多いことで有名です。彼らはすごい過去を持つ人が多いです!中には法学部を出た人もいますし、NASAに勤めていた人もいます!高校卒業後にニュージーランドに行ってワーキングホリデーで何年も働いていたお兄さんもいます。彼らを見ていると、努力次第でいつからでもチャレンジできることがわかります。
Q4. 学食の好きなメニュー上位3つ
1位:『いももち(むらさきいも)』
2位:『サンマルクのシュークリーム』
3位:『沖縄もずく丼』
Q5. 今の大学に入って一番良かったと感じることは何ですか?
本当にいろんな人がいる事です。経歴しかり、年齢しかり、人柄しかり。同じ年の子は少ないですが、相談する人によって、様々な観点からの意見を聞くことが出来る心強さがあります。また、中高は帰宅部で年上の人としゃべるのが苦手だった私ですが、今では15歳も年上の同級生とも冗談を言い合えるほどに、人との接し方を身に付けられました。
Q6. これからあなたの歩んでいく道はどのようなものになっていきそうですか?また、周りの友達の進路はどういった方面が多いですか?
私は高校の時から研究に興味があるのですがテーマを決めかねているので、卒業後に一旦臨床に出て研究テーマを見つけてから、必要なら大学院に行って研究をしてみたいと思っています。滋賀医科大学は前年度から「研究医枠」を設置しました。通常のカリキュラムに加えて早期研究体験をするという枠で、彼らには在学中から大学で研究している先生方の研究テーマの発表を聞くセミナーが用意されています。このセミナーは全学年に公開されているので、授業の空きコマであれば行ってみたいです。単科大なので、周りの子の大半は、医師や看護師、助産師になることを目標にしていますが、何人かは研究に進みたがっている子もいます。
Q7. 大学生活で打ち込んでいることを教えてください。
私はオーケストラ部に打ち込んでいます。大学入学後からヴィオラという弦楽器を始めて、先輩にレッスンをしてもらいながら曲を演奏しています。なかなか上達しないし、合奏日以外も自主練をしないといけないし、部活はテスト期間に関係なくあるのでテスト期間はとてもしんどいですが、演奏会が成功したときは本当に大きな達成感があります。演奏会前に決起集会をしたり、日曜にクラブハリエのバイキングに行ったり、合宿で夜通し飲み会をしたりするのも楽しくて、先輩や後輩に恵まれていることを実感します。また、去年は他大学合同オーケストラに参加して、他大学の人と仲良くなりました。いろいろな学部で、様々な事に興味のある人と話せて楽しかったです。特に、私の大学では少ない同い年の知り合いが増えたのが嬉しくて、彼らとは冬休みに京都観光に出かける程の仲になりました!
Q8. 自分の大学を目指している高校生へのメッセージをお願いします。
滋賀県にある大学ですから、研伸館のみなさんの住んでいる地域では、あまり身近でない大学なのではと思います。私も実はそうでした。ですが、通ってみてわかった良さがたくさんあります。生徒も少ないのでアットホームな雰囲気の学校で、大学の教室、図書館、食堂で、みんなで励ましあいながらテスト勉強することもあります。また、教授との距離も近いので、先生の研究室に質問に行ったりしやすく、実際に先生の研究をみせてもらうこともできます。睡眠学や全人的医療体験学習、滋賀県の色々な地域を訪問して診療所を回ったり観光したりする「里親宿泊研修」など、大学特有のカリキュラムが存在しますので、貴重な体験もたくさんできます。
大学は只今改修期間中で、私が学校見学に行った時と比べて、教室の設備も見た目もどんどん良くなっています。さらに今年は付属病院にローソンとタリーズコーヒーができ、かなり利用しています!
大学進学には困難な時もたくさんあると思いますが、入ってしまえば素敵なキャンパスライフが待っています!ぜひがんばりぬいてくださいね。私の学年にも4人の研伸館生がいますが、研伸館の話題で盛り上がれる仲間が増えるのは大歓迎ですよ!