東京大学 文科III類 2011年現役合格
M.K.さん
- 出身高校
- 大阪教育大学附属池田高校
- 進学大学
- 東京大学 文科III類
Q1. 大学の講義について教えてください。
<2年次の時間割>
大学の時間割 | |||
---|---|---|---|
――― | 月 | 火 | 水 |
1限 | ――― | ――― | ――― |
2限 | ――― | スペイン語二列 | 情報人文社会科学I |
3限 | 社会神経科学 (学融合プログラム) |
――― | 情報人文社会科学I |
4限 | プログラミング演習I | 科学技術社会論II | 総合情報学基礎論I |
5限 | プログラミング演習I | 科学技術社会論II | 総合情報学基礎論II |
6限 | ――― | ――― | 外国語論文講読I |
――― | 木 | 金 | 土 |
1限 | ――― | ――― | ――― |
2限 | ――― | ――― | ――― |
3限 | 情報工学I | 情報数理科学演習I | ――― |
4限 | ――― | 情報数理科学演習I | ――― |
5限 | ――― | 情報数理科学I | ――― |
6限 | ――― | ――― | ――― |
月曜日の過ごし方:授業後バイト
火曜日の過ごし方:授業後サークル
水曜日の過ごし方:授業後図書館か帰宅
木曜日の過ごし方:授業後2コマ分図書館のあとバイト
金曜日の過ごし方:授業後サークル
講座PickUp!
総合情報学基礎論II 担当: 水越伸先生
大学に入ってから一番と言っても過言ではないほど、授業の仕方や話し方が上手な先生で、毎週楽しみに受けていました。主にメディアの歴史や現状、メディアリテラシーについての講義を受けています。印象的だったことは、初回の授業の課題が「授業をリポートしよう」という題で、授業中であっても歩き回ったり、スマホで写真を撮りまくったり、とにかく明らかな授業妨害以外の手段は可!でリポートをするというもので、大学の授業の「座って受動的に受ける」という概念を良い意味で壊した授業でした。
そして授業とは直接関連はないことなのですが…スマホ、SNSの普及が著しい中、いつも意識して、情報を自分で判断しながら受信・発信できている人は案外少ないんじゃないでしょうか。“情報技術は使わない”という選択肢はこのご時世難しいことなので、それならば正しく使う方法は知っておくべきでしょう。が、残念なことに技術の進歩にルールの普及が追い付いていません。もし自分の入った大学にメディアリテラシーの授業があるなら、ぜひ取ることをオススメします。
情報人文社会科学I 担当: オムニバス
オムニバス形式で、4人の先生が3コマずつ使って講義をします。“情報”がどの分野にもまたがるからといって、“情報人文社会科学”というのはなんとも冴えないネーミングですが、一つの学問として片づけられない、いろんな学問に関わっている分野についての講義です。主に“芸術”に関する情報技術の話で、例えば、メディアアートで有名な河口洋一郎先生の講義は言葉で表すのが本当に難しい芸術感満載の授業で、かなり印象的でした。ものすごくピクサーを推していたのも印象的でした。
外国語論文講読I 担当: 山口泰先生
授業内容は英語の論文を少人数で輪読していくというものです。輪読というのは論文をいくつか分割してそれぞれ担当をきめ、担当の箇所を読んで、わかりやすくまとめた資料を作り、発表するというものです。この授業では「色の恒常性」についての論文を読んでいます。また受けている学生の層がさまざまであることもいい刺激があります。私のように学部の2年生はマイノリティで、他に院生や留学生の方々などいます。日本語でも難しい内容なので英語だとなおさら大変ですが、論文は英語が必須で、かつ学科が理系で語学関連が皆無のためなんとか必死についていっています。とにかく自分のダメさを反省し、ある意味改心させられた授業でした。
Q2. 思い出の単位について
東大はご存じのとおり進路振り分けというシステム(二年前期までの成績で行きたい学部を選べる)があるので、特に私のいた文IIIでは進振り難民と呼ばれるほど点数が大事でした。といっても撤退した試験、落とした単位、はありました…(科目によっては落とすと点数が下がるので要注意!)。しかし総合的にはいいシステムなので、ぜひこの制度を利用して、文系だから・理系だからという概念を壊してもらいたいです。
話が逸れましたが、大学の試験の点数は一概に得意だから取れるというものではないと私は思います。私は世界史・地理選択だったので、国際関係論などやったことのある授業を狙って取っていましたが、まさかの60点台良など結果はついてきませんでした。逆に理系科目である物質科学では、生物選択でほとんど知識がなかったにも関わらず、90点台優が取れたこともありました。本当によくわかりません。
東大には逆評定(単位・点数の取りやすさなどを基準に「(神)・大仏・仏・鬼・大鬼」で教員がランク分けされている冊子)やシケ対(試験対策委員会)なるものが存在するので、乗り切ろうと思えばなんとか乗り切れると思います!たぶん!
Q3. 身の周りにいるすごい人物を教えてください。
たくさんいるので、最近すごいと思った人をあげると、今年のミスター東大コンテストで準ミスターに輝いた方が、センター試験で889/900点取ったんだそうです!実際コンテストを見ていましたが、天は二物を与えるなあ…となんだか感動してしまいました(笑)。
Q4. 学食の好きなメニュー上位3つ
1位:からあげ南蛮定食
2位:かま玉うどん
3位:スンドゥブ(季節限定!)
Q5. 今の大学に入って一番良かったと感じることは何ですか?
東大に限ったことではありませんが、大学には本当に様々な人がいて、様々な経験をするチャンスが身近にあります。特にいろいろな意味ですごい人がいる割合はもしかしたら他より多いかもしれません。そういった人々と話すと視野がさまざまな方向に広がるので、入ってよかったなあと思います。また自分と同じようなことを考えている人が多いなーと共感しやすいこともいい点です。
Q6. これからあなたの歩んでいく道はどのようなものになっていきそうですか?また、周りの友達の進路はどういった方面が多いですか?
私自身はメディア関係に進みたいと考えています。情報発信をする場で働きたいなと思い、今はそのためにいろいろと活動を広げようとしている最中です。周りの友達は、学部にもよりますが、商社・金融関係をよく耳にします。ちなみに私がいる学科は院に進むのが一般的なようです。
Q7. 大学生活で打ち込んでいることを教えてください。
1年生のときは軽音サークル・テニスサークル・放送研究会と3つもかけており、楽しかったのですがどれも中途半端になっていたので2年生から放送研究会一本で活動することにしました。放送研究会は映像・ラジオ・アナウンスの3パートに分かれていて、私はアナウンスパートに所属しています。発声・原稿読みや司会の練習をしたり、他パートの作品に出演したり、また学園祭ではラジオを放送するのでその番組を構成し出演したり、ステージの司会をしたり、さらに他大学と合同で番組発表会を行ったり、他大学のラジオ放送のニュース枠の原稿読みを担当したりと活動はさまざまです。まだ意外にも出来て6年目のサークルなので、有名な放研・アナ研には全く及びませんが、その分、やりたいことを新しく始めやすい環境にある東大唯一の放送系サークルとなっています。インカレサークルなので他大学の方がたくさんいて新鮮です。またアナウンス力の向上のためにも2年生の夏にフジテレビのアナウンススクールに通いました。本物のアナウンサーの方々に直接アナウンスなどについて教えていただける機会はかなり刺激的でした。私は小中高とテニス部一本でばりばりの運動会系だったので、まさか自分が文化系のサークルにいるとは考えもしませんでしたが、今とても充実しているので、よく聞くことかもしれませんが、みなさんも新しいことにどんどん挑戦するといいと思います!
Q8. 自分の大学を目指している高校生へのメッセージをお願いします。
東京大学は本当に良い大学ですよ!来ている学生も学習環境も人によってさまざまに感じるかもしれませんが、来て損をすることはないです。目指そうと決めた方は、精一杯悔いの残らぬよう勉強してください。自分が満足のいく勉強をこなして、いつも通りのテンションで受験することができる状態にもっていく、これが一番合格に近い受験の仕方だと思います。ただ努力は必ず報われるなんて安易な言葉を信じないでください。それは結果論であって、報われない努力だってあります。ただその努力を無駄に思わないように努力することができれば、直近の目的である大学受験合格には結びつかずとも、将来的に自分の成長に必ず、つながると私は思います。結果がついてくると確信して努力するのは何か違う気がします。そして目指すか迷っている方、いると思います。私の場合は、行きたいけどそんな学力ないから目指そうと表明するのが恥ずかしいという理由で迷いました。実際ご縁があって受かった感じですが、それでも入ったあとは本当に入ってよかった、めげずに無駄だと思わず勉強してよかったと思っています。たぶん落ちて別の大学に行っていたら、やっぱり東大は雲の上の存在だったなと思っていたと思うので、本当に入って実際にどんな大学なのかを実感することができたのは幸せです。東大=頭がいいで終わらせず、まずは学祭やオープンキャンパス、食堂でご飯を食べにきてみたり東大生の友達がいるなら授業にもぐりこんでみたりなど自分の目で確かめてみると、さらに受けたくなる気持ちが増すかもしれません(^^)