東北大学 医学部医学科 2012年現役合格

K.O.さん

K.O.さん

出身高校
国立京都教育大学附属高校
進学大学
東北大学 医学部医学科

Q1. 大学の講義について教えてください。

  <2年次の時間割>

大学の時間割
―――
1限 生理学(前期)
肉眼解剖学(後期)
生理学(後期後半)
(選択必修)
ASC&WTQ
生理学(前期)
英語C2(後期教養)
2限 生理学(前期)
肉眼解剖学(後期)
生理学(後期後半)
(選択必修)
ASC&WTQ
生理学(前期)
3限 組織学(前期前半)
発生学(前期後半)
肉眼解剖学(後期)
病理学I(後期後半)
組織学(前期前半)
放射線基礎医学
(前期後半)
組織学(前期前半)
医化学(前期後半)
肉眼解剖(後期)
脳解剖(後期後半)
4限 組織学(前期前半)
発生学(前期後半)
肉眼解剖学(後期)
病理学I(後期後半)
組織学(前期前半)
放射線基礎医学
(前期後半)
組織学(前期前半)
医化学(前期後半)
肉眼解剖(後期前半)
脳解剖(後期後半)
5限 ――― ――― ―――
6限 ――― ――― ―――
―――
1限 免疫学(後期前半)
生理学(後期後半)
医化学(前期)
薬理学I(後期前半)
病理学I(後期後半)
被災地医療実習
(11月に一回だけ)
2限 免疫学(後期前半)
生理学(後期後半)
医化学(前期)
薬理学I(後期前半)
病理学I(後期後半)
被災地医療実習
(11月に一回だけ)
3限 肉眼解剖学(後期前半)
脳解剖(後期後半)
(選択必修)
ASC&WTQ
被災地医療実習
(11月に一回だけ)
4限 英語C1(前期教養)
肉眼解剖学(後期前半)
脳解剖(後期後半)
(選択必修)
ASC&WTQ
被災地医療実習
(11月に一回だけ)
5限 ――― ――― ―――
6限 ――― ――― ―――

夏は部活(医学部ボート部)の朝練で、休めそうな授業を休みながら暇があれば寝ていました。組織学や肉眼解剖など実習のある科目や授業を聞いていないと落ちる科目(薬理や病理)は風邪だろうが外が寒かろうが出席しています。とにかくテストラッシュが7月の中旬や12月の中旬、1月~2月にかけてあるのでテスト前はひたすら勉強しています(というわけでもなくインターネット見ながらのことが多かったりします。) が、全休の日や、午後休の日は昼ごはんを友達と食べに行ったりしています。バイトは一応金曜日に週一で20時から22時すぎまで塾で個別指導しています。

講座PickUp!

組織学 (担当:出澤先生)

大学の講義は基本的にパワポを使ったもので、レジュメをもらってそれを見ながらメモを取ったりするという形式の授業がほとんどにも関わらず、この先生は黒板を使った授業をしており、説明も臨床に関する話を交えた内容を話すので、医学部に入った実感を持つことができる授業のように感じます。組織学は専門らしい専門のトップバッターなのでそう言う意味でも新鮮な感じがしたのを覚えています。しかし、すぐにキレて授業をボイコットしたりするので、触らぬ神に祟りなしというタイプの人間なので、逆鱗には触れないようにしないといけない人です。自分の機嫌で実習の顕微鏡スケッチの評価が左右されるので、どんなに丁寧にスケッチしても落とされるということもあるのでそのあたりもめんどうくさい感じはあります。何より、テストで出す問題が難しいことで有名なので性格さえ丸くなればすごくいい先生なのだろうに、と思います。京大の山中教授と同じ研究室でMUSE細胞というこれも再生医療における万能細胞を研究していたものの、iPS細胞の勢いに押されて東北大学に飛ばされてきたという噂もあるので、iPS細胞の批判をひたすら繰り返すので、医学界の闇もみることができます(笑)。

システム生理学 (担当:虫明・河先生)

先生の名前がそもそもあまり見ないようなのですが、システム生理学は基本的に脳に関する生理学で、一見全く構造が分からない脳の話をしてくれます。授業自体は基本的に全然面白くなく、わけもわからないのですが、ときどき出てくる実験の映像がとても面白く、講義室でも笑いが度々起きます。本題の脳の生理学は全然分からないのでテスト勉強は難航するのですが、優しいのでテストに出す範囲をほとんどすべて言ってくれ、再試もなく、レポートで単位をくれるのでいい先生です。が、こんな調子で生理学の単位をもらってしまっても大丈夫なのだろうか、という気もしなくはないです。

河先生は暇なおじさんで、大学のロビーで勉強会をしていた時にも話しかけてきて、全く関係のない自分の興味のある話を1時間以上して時間だけ潰してどこかに行く恐ろしい人です。好きな骨は蝶形骨らしいです。。。

薬理学 (担当:柳澤先生)

薬理は毎年数々の2年生が落ちて留年の道を歩むことになる単位で、全てはこの柳澤のせいといっても過言ではないくらいです。この教授は育毛剤で有名なリアップの有効成分のミノキシジルを作った人で、他にも狭心症の薬としてニコランジルもつくったことを何かにつけて、自慢してくる教授で、一言で言うと、めんどうくさい人です。特に授業中は下痢以外トイレに行くことを認めず、行こうとしたら普段の声量では考えられない声で罵声を浴びせかけてきます。が、授業を聞いているとなぜか分かった気がするという授業をします。が、これも実は落とし穴で、いざテスト前に勉強しなければ!と思ってレジュメを開けると、まったくもって分からないという現象が起きます。とにかく東北大学一要注意人物なのですが、実はあと2、3年で退官らしいです。今、まさに彼のせいで留年の危機にも瀕しています。

Q2. 思い出の単位について

パンキョーは、東北大学は京大と1、2を争うレベルで簡単に単位が取れるので、初回授業で登録して、次に授業に行ったのは試験の日というような科目さえあって、ひたすら1年目は怠惰な生活を送っていました。

その反動というべきか、専門科目が2年から始まるとわけの分からない授業をいきなりされ、特に物理選択だったのでDNAや、その他、細胞生物学的な話を分かっている前提ですべての物事が進んでいくので意味も理解せずに過去問の回答を暗記していくという作業になっていました(生理学や医化学)。

しかし、医学部らしい授業(組織、発生、解剖、薬理、病理)はすべて暗記すればいいだけ(!) と思っていたのですが、そういうわけでもなく、これも生理学や医化学と深い関係が随所にあり、結局は基本が理解できていないとだめだということに気づいたのは後期になってからでした。。。

今までで一番勉強したのは組織学です。授業中に話している学生がいたことに、教授がいきなりキレ始めて8割(だいたい100人)落とすと言い始めたので、再試だけは御免だと思い、死ぬ気で勉強して3週間前から900ページ近い教科書を読み、京大のシケタイオブレジェンドという対策サイト(教授が京大から来たので)を使ってひたすら勉強しました。前日も徹夜してギリギリまで勉強をしました。しかし、本番では各論(臓器の構造)というよりも、総論(もっと概念的な話)ばっかりが出て結局徹夜して勉強したところはほぼ出なかったので肩透かし感が否めませんでした。結局落ちたのも40人くらいで評価は上から2番目でした。

発生学などは授業も1回しか出たことがなく何も分からなかったのに徹夜で教科書を読み、章末問題を解いていたら何故か合格して、薬理の試験でもなんだかんだ行けるだろうと思って、正月に遊び、適当に薬の名前も覚えずに受けたら不合格になり、今まさに留年の危機に瀕しています…。

Q3. 身の周りにいるすごい人物を教えてください。

2年の薬理I(今僕が落ちて再試にむけて勉強しているところ)を3年連続で受けて3回とも不合格で、すべて再試を受けるものの、すべて不合格で、結局3回目で教授の慈悲によって合格した先輩。

ゲーセンでガンダムのゲームばっかりやっているのに何故か試験では毎回トップ5に入ってくる同期。

自分しか読めない言語でメモをとって試験でトップをかっさらっていく同期。

Q4. 学食の好きなメニュー上位3つ

1位:チーズケーキ

2位:レギュラーカレー(260円だけどそこそこには食べられる)

3位:マンゴーゼリー

学食は去年で飽きました。。。いっぱいあるのですが、時々異様なまでに塩辛いものがあり食えたもんじゃない!と皿をひっくり返したくなるときが月一くらいであります(東北の味付けは濃すぎる)。

オリジナルの丼を公募するイベントがあったときに出てきたイカトン丼(イカの唐揚げ丼と豚丼を合わせたような)は美味しかったのですが、投票で負けてしまいました。残念です。

他にも丼はそこそこなのですが、メニューの名前が思い浮かばなかったのでランキングには載せませんでした。

Q5. 今の大学に入って一番良かったと感じることは何ですか?

・パンキョーで苦しんでいる友人に対して優越感に浸れる。

・関西人がほとんどいなくて、京都出身というだけで若干ちやほやされる。

・実家から離れているので何のしがらみもなく自由にいられる。(金欠になった時には仕送り増額を頼みにくいというのは欠点です)

・雪が降るときは降るけど降りすぎないのでほどよく楽しい(と去年は思っていたけどめんどくさいだけになってきた)。

・歴史が深いので部活のOBなどもかなりさかのぼれるのでなにかとお得な気がする。

・現役合格できて、1年の時を含めて色々東京のイベントに行くなどができた。

など特に絶対これというものは特にないものの上から二つ目は少し良かった度が高い気がします(笑)。

Q6. これからあなたの歩んでいく道はどのようなものになっていきそうですか?また、周りの友達の進路はどういった方面が多いですか?

よくわからないのですが、このままぼけーっとしていると東北の病院に就職することになるので、頑張って初期研修で関西に戻ったり、京大の大学院に行ったりなどして関西にカムバックするという野望を持っています(笑)。

診療科は当分決まりそうにないのですが、心療内科は実習で回った時におもしろそうだなと感じはしました。授業で該当診療科の内容を扱うたびにこの診療科はないなーというのが増えていくような気もします…。

周りは基礎研究に進みたいという人も割といる気がします。一応東北大学は研究第一と言っているというのもあるので。例年半分以上の人は東北地方に就職するようです。

Q7. 大学生活で打ち込んでいることを教えてください。

中学は水泳部のキャプテンをしていたり、高校では一年だけバレーボールをやっていたりしたのですが、大学では水泳部に入るつもりでいろいろ水着を揃えて東北に持っていったのですが、新歓でのお寿司に釣られて行ったボート部に入り、その医学部ボート部でひたすら練習しています。「きつい」の一言につきるのですが、去年は新人部門で優勝して、1シーズンで金メダル2つ、銀メダル1つを取って以来また欲しいという欲が出てきてやめられないです。水の上をスースー進むのが楽しいです。レースではつらいだけで何も感じないのですが、ゆるゆる漕いでいる分には楽しいはずです・・・!

Q8. 自分の大学を目指している高校生へのメッセージをお願いします。

東北大学は関西からはかなり遠いので基本的には目指している人が少ないと思うのですが、格安航空のpeachが就航したので、安くで関空と仙台空港が1時間ちょっとで行けるようになったので東大よりは安くで関西に帰ってこられます!

センターの配点が旧帝大の中で東大並に低く、二次逆転が狙えて75%でも合格した同期がいるくらいです。研伸館は現役専門塾で、現役合格を意地でも狙いたいという意識の高い高校生が集っていることかと思います。しかし、センター試験は一発勝負で研伸館的にも受験生的にもセンターに失敗するということは考えたくもない話でしょうが、万が一という可能性も考えて志望校の一端にして欲しいところです。

すでに東北大学を目指している数少ない人は、志望理由が何なのか気になりますが、東北大学のある宮城を含めて、東北地方は医師不足であり、震災復興もまだ途中で十分とはまだまだ言えないので志高い医学生をきっと大学も欲しがっているとおもうので、ぜひ頑張ってください。

入試に関しては東北大学の数学、英語15ヶ年が出ているのでそれで英数は対応してもらって、理科は物理が難しいことで有名なので、標準的な化学で満点を取るつもりで勉強してもらえれば、物理がそれなりでも問題ありません。最近英語は出題形式が変わり、長文を英語で要約するというような他ではあまり見ないような問題が出題されるようになっており、戸惑う受験生が多いのですが、あの手の問題は思いのほか学校でやる英語のような感覚でいれば問題ないような感じがします。研伸館では英作文を先生に添削してもらえるので普段から英作能力を付けるのは大切かもしれません。過去問通りの長文も一問は必ずあるのでそれは取りこぼさないようにするのもまた大切ですし、京大の英文和訳に慣れておくと東北大学の和訳も簡単にできるようになると思います。

数学はかなり難しい年もあり、割と点が取れたと思って点数開示すると4割も取れていなかったので、過去問が程ほどにできれば間違いないです。一問も解けないような年もあったので数学でなんとかするというのは結構数学が得意な人に限られてくる気がします。入試に関しては医学部も何も関係ないのでそのあたりは医学部を目指していない人にも言えることのように感じます。