東京大学 文科III類 2012年現役合格

H.K.さん

H.K.さん

出身高校
私立神戸女学院高校
進学大学
東京大学 文科III類

Q1. 大学の講義について教えてください。

  <2年次の時間割>

大学の時間割
―――
1限 ミクロ経済学 ――― ―――
2限 ミクロ経済学 ――― American Studies
3限 社会調査 中国語二列 ―――
4限 社会調査 ――― 外交政策
5限 社会学概論TAセミナー 軍縮ゼミ ―――
6限 ――― ――― ―――
―――
1限 ――― 社会学概論 ―――
2限 ――― 社会学概論 ―――
3限 ――― ――― ―――
4限 ――― 国際機構2 ―――
5限 ――― Peace Building ―――
6限 ――― ――― ―――

月曜日の過ごし方:サークル活動に勤しむ。

火曜日の過ごし方:授業の復習。

水曜日の過ごし方:のんびりと過ごす。友人と談笑。

木曜日の過ごし方:好きに過ごす。読書をしたり、車学校に通ったり。

金曜日の過ごし方:授業の復習の積み残し。サークルのミーティングが入る時も。

講座PickUp!

軍縮ゼミ(正式名称:平和のために東大生ができること) (担当:岡田晃枝先生)

東大生が、イデオロギー色を廃して科学的に平和とは何か、戦争の記憶を次世代に伝えるにはどのようにすれば良いか、軍縮不拡散はどのように実践されるべきか、などあらゆる疑問を考えるゼミです。官公庁や国際機関の一線で働く方から貴重なご講演をいただいたり(私の年はUNDPI広報官の方が来られました)、生徒がその問題について激論したり、多様な活動が出来て非常に面白いです。何より素晴らしいのは、長期休暇に海外研修で自己研鑽できる事で、私は夏休みに中央アジアのトルクメニスタンという国へ行きました(ちなみに、春休みはニューヨークにて国連やコロンビア大学を訪問します)。この国は長年謎の独裁国家、中央アジアの北朝鮮としてその名を知られているのですが、実態は想像とはかなり異なる物でした。潤沢な資源から得られる資金で国は富み、国民の生活も十二分に保障されています。下手するとQOLは日本よりも高いかもしれません。ともかく、滅多に出来ない経験が積め、周りの優秀なゼミ生に日夜刺激されるのは確かです。来年から授業日程が変更されてしまうため、存続されるかは謎なのですがこの先生の授業が他にあれば是非積極的に取りに行きましょう!課題は甘くないですがその分成長を実感できますし、偶に見せる先生のお茶目さに惚れてしまう事間違いなしです。

社会調査 (担当:白波瀬佐和子先生)

文学部行動文化学科社会学専修課程の必修講義で、いわば統計の基礎です。正直統計は得意ではなかったのですが(1年半数学から離れると感覚が失われてしまいますので皆さんはきちんとやりましょう、線形代数学などは特に)、社会調査って面白いな、将来世論の分析や研究に携わりたいなと自分の方向性が多少見えた授業でもあります。社会学は裾野の広い学問で、歴史学・美術論・文化人類学・科学技術社会論・ジェンダー論(あえて雑多に挙げてみました)、幾らでも他の学問と繋がりあります。逆に言うと、社会学という広すぎるフィールドで自分が何をやりたいのか、ずっと問われ続けます。進学振り分けの後もそこまで自分の環境に変化が無いのです(文学部は他学部聴講も容易に行えますし、だからこその選択ではあるのですが)。私は幸い「国際社会で、世論の分析をしたい、そのためには計量社会学や統計を学びたい」と道が見えました。皆さんも社会学へ進学したならば、この授業や社会学概論で早い段階で自分の将来したい研究分野を一旦は決めておくべきでしょう。

Peace Building (担当:佐藤安信先生)

Peace Building(平和構築)について英語で学ぶ授業です。勿論授業中の会話も英語、配布物も英語、プレゼンやレポートも何もかも英語、そして毎週凄まじい量のReading Materialが出るという武者修行のような授業でした。少人数制でしかも周りは全員上級生だったので生き残るのに必死でした。でもそこまでした報いは当然非常に大きく、英語に以前ほど怯まなくなった上に、Peace Buildingについてはある程度語れるようになりました。更に先生が非常に学生思いの方で、スキーに誘っていただいたり、大学院のHSP(Human Security Program、人間の安全保障プログラム)のイベントを告知していただいたり、レポートのフィードバックをいただいたりして本当にお世話になったと思っています。そのプログラムの関連で、あの緒方貞子様や滝澤三郎先生にも直接お会いできましたし…。

Q2. 思い出の単位について

完徹してレポートを書き上げたり、半泣きで単語を暗記したりなんてザラですね…。悲しいことに。もっと計画性を持つべきなのですが、バイトやサークルに勤しんでいるとなかなか難しいです(言い訳ですね、単なる)。思い出の単位は中国語でしょうか。とことん先生との相性が悪かったのか努力がまるで報われなかったです。文三は語学むちゃくちゃ大事なので絶対に疎かにしないように…。反面教師にしてください。あと、自信満々で書いた科学技術論の試験が79良だったのにも地味に泣けました。東大は優3割規定(全体の3割にしか優を出さない)があるので、どんぐりの背比べのような結果になると容赦なく78良や79良に流し込まれます…。

Q3. 身の周りにいるすごい人物を教えてください。

数学オリンピック、生物学オリンピックメダル獲得なんてその辺にいるくらい周りが優秀で、帰国子女の友人もとても多いです。だからすごい人は数限りなくいます。一芸に秀でている人も多いですね(華道や書道など)。変な方向だと、イカ東決定戦に出た友人、女装コンテストで優勝してしまった友人などがおります(笑)。

Q4. 学食の好きなメニュー上位3つ

1位:サバの味噌煮

2位:豚のしょうが焼き

3位:ほうとううどん

…なんだかすごくババ臭い(?)選択になってしまいましたね。でも、サバの味噌煮は一押しです。めっちゃおいしいです。

Q5. 今の大学に入って一番良かったと感じることは何ですか?

優秀な人に毎日刺激される事、東大というバリューを使って滅多に会えない人に会える事、官公庁を訪れられる事でしょうか。文系なので情報の集積した首都圏にいる、という地の利は途轍もなく大きいです。東京にいるからこそ、日本ではなく世界を視野に活動できます。それから、やはりこれだけ税金が使われているのだからそれなりに社会に還元しなければな、と感じざるを得ません。一人暮らしをしている事も相まって責任感は強くなりました。東大は心身ともに鍛えられ、成長できる絶好の環境です。ぜひ皆さんも後輩として来てください。

Q6. これからあなたの歩んでいく道はどのようなものになっていきそうですか?また、周りの友達の進路はどういった方面が多いですか?

可能なら院留学をしたい、世界を相手にした内容で研究者になりたい、と漠然ながら考えています。文三の周囲の友人の進路は本当に多種多様です。メディア系への就職を希望する友人、工学部や農学部に理転して院進する友人、など今から将来会うのが楽しみなほどです。

Q7. 大学生活で打ち込んでいることを教えてください。

東大ドリームネットという在学生と卒業生の方を交流させるイベント作りを行うサークル、biscUitという東大女子のためのフリーペーパーを作成するサークルの掛け持ちをしています。どちらも活動量が多く両立は正直大変な時もありますが、達成感は非常に大きいです。特に東大ドリームネットでは、私が統括として「国際平和企画」というイベントを行いました。元国連事務次長や元UNHCR駐日代表の方をお呼びし、パネルディスカッションやケーススタディを通じて平和とは何かを考える、という内容にもこだわり切って、途中挫折しそうになりながらも何とか周囲の協力もあってやり遂げました。滅多に出来ない経験だったと思っています。

Q8. 自分の大学を目指している高校生へのメッセージをお願いします。

受験勉強は辛いです。しかも、私は体調を初め壊していたのでスタートでかなり出遅れ、それなのに志望を東大にしてしまったので(それだけの理由があったのですが)、毎日凄まじいプレッシャーとの戦いでした。病院で点滴されてから東大模試を受けたのは今でもはっきり覚えています。さらに努力は必ずしも報われるものでもありません。私の周囲にも合格間違いなしと言われていたのに落ちてしまった人はいました。でも、だからといって、あなたの志望はそれで折れるほど弱いものですか?違いますよね。ここまで勉強してきたのなら、最後まで結果がどうであれやり切る方が良いでしょう。やらないで後悔、よりやって失敗の方が自分自身に納得できます。決して妥協せず、何が必要なのか逆算して考え、自分の知識を拡充する。大学に入ってからは、勉強するだけではなくどんな勉強をするのかも自分で決めなければなりません(そしてさらに生活と両立しないといけません)。それを大変と思うか楽しいと思うかはあなた次第ですが、いずれにせよ勉学のみに邁進できるのは今だけです。期間限定の猛勉強期間を楽しみきってやる!とくらい思う方がいいでしょうね。東京大学でお待ちしています、頑張ってください。

今年受験でない人は、受験生になってから心置きなく勉強できるように、日々のノルマをこなしつつもやりたい事をやりましょう(期末や塾のテストは超基本なので、絶対に疎かにしてはダメです!それで後悔した反面教師がここにいます)。私は中高時代哲学にハマっていました。中3の時に哲学オリンピック国内予選で頑張った結果も残すことが出来ました。何かを極めてみるのってとても大事だと思います。それが後々思わぬところで自分の進路に影響してくる事もありますので。