物理のページ(2015年度)

【第54回】第53回の解答・解説 (2015/11/20)

研伸館 物理科の米田 誠です。強者の戦略ウェブサイトの物理のページ、第54回目は第53回目で紹介した『2010年度 和歌山県立医科大学 前期日程(改題)』からの出題、「交流回路における力率」に関する問題の解答解説+αです。

第53回の解答・解説

(PDFファイルが開きます)

【第53回】力率 (2015/11/20)

研伸館の米田 誠です。強者の戦略ウェブサイトの物理のページ、第53回目は『和歌山県立医科大学 前期日程 物理(改題)』からの出題です。この問題は交流回路におけるリアクタンス、インピーダンスや電流と電圧の位相のずれに関する計算がテーマとなっています。一般的にはインピーダンスの計算は、三角関数の合成を行ったり、もしくは回路上の各部品(コンデンサーやコイル)での位相のずれを用いた作図法で計算します。また、高校の検定教科書では加法定理と近似によって計算することが多いリアクタンスについても、微分・積分の考え方を用いてスムーズに導出する方法もあります。以上のように、この問題にチャレンジする際には、上記の二点、インピーダンスの計算における作図の意味とリアクタンスの導出における微分・積分を用いた計算の簡略化に考察していただければと思います。では、頑張ってください。

力率

(PDFファイルが開きます)

【第52回】第51回の解答・解説 (2015/08/14)

第51回に引き続き、藤原です。第52回目は前回紹介した問題の解説です。今回の問題は微分方程式をテーマにした問題でした。

物理において、「未来を予測する」「未来を計画する」とき、初期値(初期座標や初速度)とそれがどのように変化するか(運動方程式)から、予測、計画を立てていきます。

これは物理だけではなくて未来を考えるときの根本的な思考で、例えば「貯金計画」を立てる際も、「現時点の所持金」と「今後それがどのように変化するか(お小遣い、自分の浪費ぐせなど)」を予想して、計画を立てていくと思います。

数学の世界で、その考え方に近いのが数列の漸化式と関数の微分方程式だと思います。初めの値と、それがどのように変化するか(傾きの式)が与えられて、それらをヒントに条件を満たす関数を考える、といった思考です。

今回は模範解答の他に、「この様な問題の考え方はどうか」といった事を<補足>の部分で書いてみました。参考にしてみて下さい。

解説を書いた後に「1割物理+9割数学の問題だな」と感じましたが、物理学においても重要な計算ですので、開き直って物理のページに掲載したいと思います。

では解説を始めたいと思います。

第51回の解答・解説

(PDFファイルが開きます)

【第51回】微分方程式 (2015/08/07)

研伸館の藤原です。強者の戦略ウェブサイト物理ページ第51回(問題編)、第52回(解答編)を担当させてもらいます。

今回の掲載問題は東京大学2006年度後期試験、総合科目IIからの出題です。総合科目IIは毎年、大問2問構成です。2006年度は今回紹介する問題以外に、以前このページの第5、6回で米田先生が紹介した「三相交流」が出題されました。三相交流の方は三角関数にまつわる交流回路がテーマでしたが、今回紹介する問題は「微分方程式」がテーマとなっています。「微分方程式」は高校物理を少し超えた発展的な内容を扱う際に頻繁に登場する式なので、知っている方も多いかもしれません。その割にこのページでは意外に今まで扱っていなかった様なので、今更ながら取り上げたいと思います。

余談ですが、最近車の安全運転をやたらと注意するようにしています。昔は妙に自分の運転に根拠のない自信があったのですが、年を重ねると共に自信よりも不安の方が勝るようになっています(万が一の事があってはいけない)。今回の問題は微分方程式よりもむしろシートベルトをテーマに扱っていた為、興味を引かれました。

ガソリンエンジンの自動車が開発されたのが19世紀の終わり頃、シートベルトが一般自動車に使用されだしたのは20世紀中頃だったらしいです(映画にもなった幻の名車「タッカー」が初めてシートベルトを導入した一般自動車だ!という説も聞きますが、本当ならまさに天才の偉業だな、と思います)。

21世紀の現代では使用するのが当たり前になっているシートベルトですが、「シートベルトが柔らかすぎたらフロントガラスやハンドルに衝突してしまう」「シートベルトが固すぎたら引っ張る力で肋骨が骨折してしまう」「ちょうど良い状態を考えなければ人命救助に役立たない。」と、その構造には絶妙なバランスが要求されます。現在の車は、エアバック、ABS など高い安全性能を誇る様々な機能が付いていますが、やはりシートベルトを超える発明は無いのではないでしょうか。

今回の問題は微分方程式から理想的なシートベルトを考察する問題になっています。問題の挑戦と共に、車って色々工夫されてるんだなぁ、と感じてみてください。

微分方程式

(PDFファイルが開きます)

【第50回】第49回の解答・解説 (2015/05/08)

第49回の解答編です。本問のテーマである「太陽電池」の詳しい解説は、他の過去問解説本や専門書に譲ります。純粋に大学入試問題として本問を捉えるならば、問題を解くために必要十分な情報は問題文および付随する図・グラフにすべて記載されているわけですから、それらをいかに素早く読み取り、問題状況に応じて正確に使用するかが問われている、と言えるでしょう。一言で言えば、「情報処理能力」。東大の物理の特徴は正にここにある、と言えます。もちろん、直列の性質、オームの法則、キルヒホッフの法則など、高校物理で学ぶ内容と矛盾してはなりません。では、解答解説に移りましょう。

第49回の解答・解説

(PDFファイルが開きます)

【第49回】東大過去問に挑戦! (2015/04/24)

物理講師の内多です。春と言えば私の登場ですね。例年通り、担当させて頂きます。

私が出題を担当した回はここ2回ほど、高校範囲を超えた内容(相対性理論)を扱っていましたが、久々に王道に戻ってみようと思います。今回は、2014年度の東大からの出題です。分野は「電気」。太陽電池を題材に、電気回路の電流・電圧などを求めさせる問題です。問うている物理量自体は非常に馴染みのあるものなのですが、そこは東大、スラスラと解くことは難しいです。「物理的思考力」を駆使し、本問題を突破してみてください。必要な予備知識は高校物理の「電気」内容で十分です。

東大過去問に挑戦!

(PDFファイルが開きます)